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2014 U-17女子ワールドカップ コスタリカ大会HEADLINE


 開催期間:2014年3月15日〜4月4日






召集メンバー

  GK
 No 選手名 生年月日 身長 体重 所属
21
森田 有加里
モリタ ユカリ
1997.2.5 172cm 61kg 大阪桐蔭高
12
浅野 菜摘
アサノ ナツミ
1997.4.14 175cm 62kg JFAアカデミー
福島
1
松本 真未子
マツモト マミコ
1997.10.9 165cm 55kg 浦和レッズL
ユース
  DF      
 No 選手名 生年月日 身長 体重 所属
3
北川 ひかる
キタガワ ヒカル
1997.5.10 162cm 48kg JFAアカデミー
福島
2
松原 志歩
マツバラ シホ
1997.7.7 160cm 50kg セレッソ大阪堺
レディース
5
市瀬 菜々
イチセ ナナ
1997.8.4 162cm 53kg 常盤木学園高
4
橋沼 真帆
ハシヌマ マホ
1997.9.9 159cm 55kg JFAアカデミー
福島
16
遠藤 優
エンドウ ユウ
1997.10.29 156cm 48kg 浦和レッズL
ユース
6
宮川 麻都
ミヤガワ アサト
1998.2.24 159cm 48kg 日テレ・メニ―ナ
17
南 萌華
ミナミ モエカ
1998.12.7 169cm 54g 浦和レッズL
ユース
  MF      
 No 選手名 生年月日 身長 体重 所属
8
長谷川 唯
ハセガワ ユイ
1997.1.29 155cm 44kg 日テレ・ベレーザ
10
杉田 妃和
スギタ ヒナ
1997.1.31 161cm 53kg 藤枝順心高
11
西田 明華
ニシダ メイカ
1997.11.16 159cm 52kg セレッソ大阪堺
レディース
19
平塚 万貴
ヒラツカ マキ
1998.8.11 161cm 48kg 西南FC
U-15
18
佐藤 瑞夏
サトウ ミズカ
1998.9.19 158cm 45kg ジェフ千葉L
U-18
15
長野 風花
ナガノ フウカ
1999.3.9 157cm 50kg 浦和レッズL
ユース
  FW
 No 選手名 生年月日 身長 体重 所属
7
小林 里歌子
コバヤシ リカコ
1997.7.21 158cm 47kg 常盤木学園高
9
鴨川 実歩
カモガワ ミホ
1997.8.27 154cm 46kg ジェフ千葉L
U-18
20
斉原 みず稀
サイハラ ミズキ
1997.12.2 171cm 57kg アンジュヴィオレ
広島
13
児野 楓香
コノ フウカ
1998.1.15 153cm 47kg 藤枝順心高
14
大熊 良奈
オオクマ ラナ
1998.12.23 166cm 49kg JFAアカデミー
福島





決勝トーナメント



 日本 
 
準優勝  スペイン

3位  イタリア

日本の各受賞一覧
フェアプレー賞 日本
ゴールデンボール賞 杉田妃和選手(藤枝順心高校)
シルバーボール賞 長谷川唯選手(日テレ・ベレーザ)
ゴールデングローブ賞 松本真未子選手(浦和レッズレディースユース)
ブロンズブーツ賞 杉田妃和選手(藤枝順心高校)




〜決勝トーナメント〜









グループリーグ:結果


順位  A-Group 勝ち 分け 負け 得点 失点 得失点 勝ち点
1  ベネズエラ 3 0 0 8 0 +8 9
2  イタリア 2 0 1 3 1 +2 6
3  ザンビア 1 0 2 2 7 -5 3
4  コスタリカ 0 0 3 1 6 -5 0


順位  B-Group 勝ち 分け 負け 得点 失点 得失点 勝ち点
1  ガーナ 2 0 1 4 2 +2 6
2  カナダ 1 2 0 5 4 +1 5
3  北朝鮮 1 1 1 5 6 -1 4
4  ドイツ 0 1 2 5 7 -2 1


順位  C-Group 勝ち 分け 負け 得点 失点 得失点 勝ち点
1  日本 3 0 0 15 0 +15 9
2  スペイン 2 0 1 10 3 +7 6
3  ニュージーランド 0 1 2 1 7 -6 1
4  パラグアイ 0 1 2 2 18 -16 1


順位  D-Group 勝ち 分け 負け 得点 失点 得失点 勝ち点
1  ナイジェリア 3 0 0 7 2 +5 9
2  メキシコ 2 0 1 8 3 +5 6
3  中国 1 0 2 4 7 -3 3
4  コロンビア 0 0 3 2 9 -7 0





第1戦

グループリーグ:スペイン戦 試合詳細

 リトルなでしこ 2-0 U-17スペイン女子代表 
(前半1-0)
      
 

2014年3月16日(日) 14:00キックオフ(現地時間)
@Ricardo Saprissa Ayma Stadium(コスタリカ/チバス)
〜スターティングメンバー〜

  松本真未子
  北川ひかる、市瀬菜々、大熊良奈、遠藤優
  宮川麻都、長野風花、杉田妃和、
     松原志歩、長谷川唯
  小林里歌子
〜控えメンバー〜

  浅野菜摘、森田有加里
  橋沼真帆、南明萌華
  平塚万貴、佐藤瑞夏
  鴨川実歩、齋原みず稀、児野楓香

登録外メンバー
 MF 西田明華
〜得点経過〜
 43分 日本 宮川麻都
 51分 日本 松原志歩
〜選手交代〜
 82分 北川ひかる → 平塚万貴
〜マッチポレポート〜
気温26度と過ごしやすいコンディションでスペインとの大会初戦を迎えました。晴天の日曜日、会場のRicardo Saprissa Aymaスタジアムには2,250人の観衆が集まりました。
試合前のミーティングで、高倉監督は「チームの立ち上げから1年少し、私自身世界の舞台で戦えることを楽しみにしていた。その初戦で強豪と戦える時に、どれだけ皆が上手くやれるか、でなく、どれだけ皆が戦えるかをみることが楽しみ。今日から決勝戦まで、全員で戦おう!」と話し、選手たちをピッチに送り出します。
日本ボールでのキックオフ。開始わずか32秒でスペインの選手がシュートを放ちますが、これはGK松本真未子選手(浦和レッズレディースユース)の守るゴールの枠外。序盤はスペインが前がかりにボールを進めてきますが、高倉監督の指示通り、日本は落ち着いて対処し、徐々にペースを掴みます。
5分には松原志歩選手(セレッソ大阪堺レディース)が日本の初シュートを放ちますが、ゴールの枠を捉えきれません。
17分、松本選手からのゴールキックを受けたDF市瀬菜々選手(常盤木学園高校)が前からチェックに来たスペインの選手を1人かわしたものの、次のタッチが大きく、スペインの選手にボールを奪われ一気にゴール前まで持ち込まれます。これを1対1の場面でGK松本選手がしっかりと相手のシュートをブロックします。
その7分後、今度は長谷川唯選手(日テレ・ベレーザ)がこぼれ球を拾ってシュートしますが、スペインGKがファインセーブで防ぎ、惜しくも得点になりません。
その後も杉田妃和選手(藤枝順心高校)、長谷川選手、宮川麻都選手(日テレ・メニーナ)がシュートチャンスを迎えますが、いずれも決まりません。
42分、日本がスペインゴール正面20mの距離で得たFK、長谷川選手の蹴ったボールはまたもスペインGKのファインセーブにあいます。しかし、このプレーで得たコーナーキックから待望の先制ゴールが生まれます。
日本左サイドのCK、杉田選手が右足で蹴ったボールは直接ゴールへの軌道を描きますが、スペインGKがなんとかゴール前から弾き出したボールをゴール正面の宮川選手が頭で押し込み、日本が先制、1−0でハーフタイムを迎えます。
後半開始からわずか6分後、スペイン右サイド深くで日本がFKのチャンス。杉田選手がゴール前に入れたボールを長谷川選手がそらし、ゴールエリア内正面にフリーで走りこんできた松原選手が蹴りこみ、2−0とします。
その後もリズムの良い攻撃で、66分、88分にもそれぞれ長谷川選手、杉田選手が決定機を迎えますが、得点にはつながらず、前後半の1得点ずつで日本が2−0と完勝、幸先の良いスタートを切りました。
この試合、攻守にわたってチームを牽引した杉田選手がマッチMVPに輝きました。
同じグループのニュージーランドとパラグアイは1−1の同点に終えたため、日本がグループCで首位にたちました。
中2日をはさみ、19日にはパラグアイとの試合を行います。
〜試合後のコメント〜
高倉麻子 監督
大会初戦で強豪スペインとの対戦ということで、選手たちは気合が入っていましたが、落ち着いてゲームに入ろうと話しました。内容としては、攻守ともにチームの規律をしっかり守り、アグレッシブにプレーしてくれたと思います。昨年4月にコスタリカでの4カ国対抗大会に出場したことで、選手たちにとっては現地の生活や雰囲気を感じることができ、良い経験となっていました。(多くのサポーターが見に来てくれましたが)普段はたくさんの観客の前でプレーする機会はなかなかありませんが、さらに多くの方々に来ていただければ、選手たちももさらに良いプレーができると思います。次の試合に向け改善するところはまだまだ多いですし、次はさらにレベルアップしたゲームができるようにしたいと思います。
杉田妃和 選手(藤枝順心高等学校) 
大会初戦のスペインとの試合に勝つことができて嬉しいです。試合前は緊張もありましたが、試合が始まってからは自分たちができることをやり、徐々に(緊張がとけて)良い感じになりました。(ゴールシーンの)コーナーキックは狙い通りではありませんでしたが、2点目のフリーキックは狙い通りでした。個人的にはいつもよりも試合中に声を出すことができたと思いますが、攻撃ではもっと参加できるところがあり、守備では対応が遅れたこともありました。これらは今後の課題です。初戦で良い流れができたので、次はもっと良いプレーをして、チーム全員で勝利を収めたいです。
宮川麻都 選手(日テレ・メニーナ) 
初戦に勝てたことが一番嬉しいです。(ゴールシーンは)そのまま(コーナーキックが)ゴールに入るかと思いましたが、ボールがこぼれてきたので押し込みました。スペインは個人技が高く、スピードやパワーがありました。試合中に競り合いに負けてしまうところがあったので、そこを含め、この試合から課題がたくさん見つかりました。次のパラグアイとの試合では、今日のスペイン戦よりももっと良いプレーができるようにしたいと思います。
松原志歩 選手(セレッソ大阪堺レディース) 
ゲームへの入り方が弱気になってしまうことが多かったので、今日は強気なプレーをし、シュートを打つことを考えて試合に入りました。ゲーム前にスペインの映像を見て、強いチームでパスを回してくると思っていましたが、実際ゲームに入ると早い時間帯で自分たちのペースがつかめたと感じています。ハーフタイムに裏を狙っていこうと言われていたので、相手DFの裏で積極的にボールをもらえる場面が何度か出せたのでよかったです。(得点場面は)あまり覚えていませんが、杉田選手から良いボールが入ってきて、目の前にボールが来たのでゴールに思い切り蹴りこみました。次の試合でもまた得点を決めたいです。
市瀬菜々 選手(常盤木学園高校)
スペインはパスをしっかりまわし、足元とスピードがある強い相手でしたが、日本も試合にとても集中できていました。ミスもありましたが、全員でまとまりのある守備ができ、自分たちの良い所が多く出た試合だったと思います。攻撃もいい形を多く作ったので、最後のシュートが入れば完璧だったと思います。自分自身はアジアの大会からずっとラインコントロールと攻撃のビルドアップの正確性を意識してやって来ました。前半はずっと集中してラインをコントロール出来ましたが、後半は集中力が切れる場面があり、スライドが遅れることもありました。次のパラグアイ戦では、前からボールを取りに来られても慌てずに前線に良いパスを送って攻撃のリズムを作りたいです。また、ラインの上げ下げのタイミングなど、集中して相手の攻撃への対処をしっかりしたいと思います。





第2戦

グループリーグ:パラグアイ戦 試合詳細

 リトルなでしこ 10-0 U-17パラグアイ女子代表 
(前半3-0)
        
 



2014年3月19日(水) 20:00キックオフ(現地時間)
@Ricardo Saprissa Ayma Stadium(コスタリカ/チバス)
〜スターティングメンバー〜

  松本真未子
  松原志歩、市瀬菜々、南萌華、遠藤優
  宮川麻都、長野風花、杉田妃和、鴨川実歩
  長谷川唯、平塚万貴
〜控えメンバー〜

  浅野菜摘、森田有加里
  橋沼真帆、北川ひかる
  西田明華、佐藤瑞夏
  小林里歌子、大熊良奈、児野楓香、齋原みず稀
〜得点経過〜
 15分 日本 長谷川唯
 22分 日本 遠藤優
 36分 日本 宮川麻都
 47分 日本 市瀬菜々
 56分 日本 平塚万貴
 62分 日本 齋原みず稀
 75分 日本 杉田妃和
 85分 日本 杉田妃和
 86分 日本 杉田妃和
 90+2分 日本 児野楓香
〜選手交代〜
 61分 宮川 麻都 → 齋原 みず稀
 70分 鴨川 実歩 → 児野 楓香
 79分 遠藤 優 → 北川 ひかる
〜マッチポレポート〜
コスタリカらしい眩しいほどの太陽の下で行った初戦とはうってかわり、パラグアイとの第2戦は午後8時キックオフのナイトゲームとなりました。日本戦の前に行われたスペイン対ニュージーランドでもカメラマンの人たちが「寒い」と言いながら室内に入ってくるような気候でした。
平日にもかかわらず、2,364人もの観客が見守る中、高倉監督はスペイン戦からスタメンを3名入れ替えて臨みました。



パラグアイボールでのキックオフ。開始直後にパラグアイに決定機を与えますが、なんとか凌ぎ、4分に最初のチャンスを迎えます。
左CK、杉田妃和選手がゴール前に送ったボールを南萌華選手(浦和レッズレディースユース)が頭で合わせますが、ゴールの枠は捉えきれません。日本が徐々にペースを掴みますが、なかなかシュートチャンスを作ることができません。
13分には右CKから中央で南選手がヘディングシュートを放ちますがクリアされ、こぼれ球を長野風花選手(浦和レッズレディースユース)がシュートするもこれも決まらず。先制点はその2分後。平塚万貴選手(西南フットボールクラブU-15)がペナルティエリア内に持ち込んだボールをパラグアイDFがクリア。しかし、味方にあたって跳ね返ったボールを長谷川唯選手(日テレ・ベレーザ)が冷静に左足で蹴りこんで先制します。
さらにその7分後、ペナルティエリア付近中央で平塚選手からパスを受けた宮川麻都選手(日テレ・メニーナ)が相手を引きつけ、逆サイドにフリーで走りこんできた遠藤優選手(浦和レッズレディースユース)にパス、遠藤選手が合わせて2点目。さらに36分には宮川選手がCKからの混戦でこぼれ球を押し込み、3−0として前半を折り返します。
後半キックオフからわずか2分、右CKからファーサイドへのボール。パラグアイDFに当たって目の前にこぼれたボールを市瀬菜々選手(常盤木学園高校)が蹴りこみ4点目とすると、ゴールラッシュが始まります。56分には鴨川実歩選手(ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU-18)のシュートをGKが弾いたボールを平塚選手が押し込んで5点目。62分には齋原みず稀選手(アンジュヴィオレ広島)が1対1から冷静にGKをかわしてゴール。75分、85分、86分には杉田妃和選手(藤枝順心高校)が連続ゴールを決め9-0とし、アディショナルタイムにも途中出場の児野楓香選手(藤枝順心高校)がPKを決め、10得点で試合を終えました。
中盤で存在感を示し、終了間際にハットトリックを達成した杉田選手が大会2度目のマッチMVPに輝きました。



グループCは2連勝で勝ち点を6に伸ばした日本が首位に立ち、準々決勝進出を決めました。スペインが勝ち点3、ニュージーランドとパラグアイが勝ち点1で並んでいます。日本の準々決勝の対戦相手はグループDの1位、もしくは2位のチーム。グループDはナイジェリア、メキシコがすでに2連勝でグループステージ突破を決め、首位をかけて次戦で直接対決します。
日本のグループステージ3戦目は23日。ナショナルスタジアムでニュージーランドと対戦します。
〜試合後のコメント〜

高倉麻子 監督
ひとまずグループステージ突破が決まってよかったです。前半は弱気なプレーが目立ち、自分たちでチャンスを作り出すことがなかなか出来ませんでした。しかし、後半には選手たちのアクションが大きく強いものとなり、積極的にゴールを目指す姿勢がみられ、日本らしい形を数多く作ることが出来ました。守備面では、浮き球の処理や、速くて強い相手FWの圧力に手を焼いてしまうなど、これまでと同じような課題が出ました。相手の大きな展開に対する準備や跳ね返す力といった個の強さを守備でも追求していきたいと思います。次の試合もしっかり勝利し、グループを1位で突破したいと思います。

杉田妃和 選手(藤枝順心高校)
初戦の対戦相手スペインと比べ、パラグアイはロングボールを多用してきました。予想しないときに蹴ってきたので、ディフェンスラインが下がる時に自分のポジションも下げて間延びしないように気をつけました。前半はこぼれ球に詰められなかったのですが、みんなで声を掛け合ってこぼれ球に最後まで行けるようになり、得点につながりました。ハーフタイムで相手のプレスの中で横パスばかりでなく縦パスも入れて仕掛けようと監督から言われ、自分たちで修正しようと後半に臨みました。3得点できたことは嬉しいですが、もっとチャンスがあったので決めきらなければ大事な時に点が取れないと思っています。

平塚万貴 選手(西南フットボールクラブU-15)
得点を決めることができましたが、まだまだ満足せずにもっとゴールを決めていきたいです。もっと仕掛けられたし、点がとれたと思います。味方のシュートのこぼれ球への反応が遅かったり、シュートを打てる場面で切り返してしまったことが原因です。パラグアイは後ろからロングボールを蹴ってきました。そのボールを奪ってカウンターで攻めようとしましたが相手のディフェンスラインが低くて裏のスペースがなく、狙いづらかったです。次に試合に出たら、もっと積極的に仕掛けてゴールをたくさん決めたいです。

齋原みず稀 選手(アンジュヴィオレ広島)
日本代表として公式戦に初めて出場して自信になりましたし、得点することができてとても嬉しいです。しかし同時に課題もたくさん出ました。パスの精度や、パスをもらえなかったときの動き直し、連携・連動という部分です。トレーニングから意識している、裏のスペースでパスを受けること、声を出すことは、自分ではできたほうだと思います。(交代で入ると聞いた時は)少し緊張しましたが、「ついに来た!」と思いました。そして、絶対に1点決めたいと思いました。明日からのトレーニングでは、パスを受けたら早めの判断で正確なパスを出すことを心がけ、また試合に出られたら得点を決めたいです。

遠藤優 選手(浦和レッズレディースユース)
前半は自分たちのプレーがなかなか出来ずに焦り気味に試合をしていましたが、後半持ち直して、追加点をどんどん取ることが出来ました。前半は全体的にゆるい気持ちで入ってしまいましたが、後半は皆の気持ちがひとつになったと思います。パラグアイがロングボールを蹴ってきた中で、ディフェンスラインが焦って1つ目のパスが雑になったり、慌ててしまい前にヘディングできなかったりしました。後半はディフェンスも落ち着いて、パスが繋がるようになったと感じます。点を決めたいと思っていましたが、課題だった流れの中からの得点ができてよかったです。自分自身は、チャレンジ&カバーやロングボールの処理が課題として見つかりました。次の試合でももっと前線に絡めるようなプレーをしたいです。






第3戦

グループリーグ:ニュージーランド戦 試合詳細

 リトルなでしこ 3-0 U-17ニュージーランド女子代表 
(前半1-0)
              
 
2014年3月23日(日) 17:00キックオフ(現地時間)
@National Stadium(コスタリカ/サンホセ)
〜スターティングメンバー〜

  浅野菜摘
  北川ひかる、市瀬菜々、大熊良奈、橋沼真帆
  西田明華、宮川麻都、長谷川唯、佐藤瑞夏
  小林里歌子、齋原みず稀
〜控えメンバー〜

  松本真未子、森田有加里
  松原志歩、遠藤優、南萌華
  杉田妃和、長野風花、平塚万貴
  鴨川実歩、児野楓香
〜得点経過〜
 21分 日本 長谷川唯
 71分 日本 小林里歌子
 90+3分 日本 松原志歩
〜選手交代〜
 HT 佐藤瑞夏 → 児野楓香
 74分 西田明華 → 松原志歩
 84分 浅野菜摘 → 森田有加里
〜マッチポレポート〜
初戦のスペイン戦を2−0、第2戦のパラグアイ戦を10−0とここまで2連勝の日本、第3戦の相手はニュージーランド。「グループステージ突破は決まっているが、首位を決める大事な試合。全員で、前のゲームより成長した内容で勝利しよう!」と高倉監督は試合前に選手たちに呼びかけます。
ニュージーランドは今年2月のアメリカ遠征でも対戦(5−0で勝利)し、日本をよく知る相手です。今大会初戦はパラグアイと1−1と引き分け、第2戦はスペインに0−3で敗戦。日本に勝利すれば初のグループステージ突破へ望みがつながる重要な試合です。
会場はサンホセのナショナルスタジアム。日曜日ということもあり、5,100人の大観衆が集まりました。
日本は今大会初先発のメンバーが5名とフレッシュな布陣で臨みます。
ニュージーランドボールでのキックオフ、序盤から日本がペースを掴みます。4分には早くもこの日1本目のCKのチャンス。長谷川唯選手(日テレ・ベレーザ)からのボールをファーサイドのゴールエリア近くで北川ひかる選手(JFAアカデミー福島)が頭で合わせますがゴール上外。18分には左サイドからのクロスボールをゴール前でニュージーランドDFがクリアし、そのボールを右サイドの佐藤瑞夏選手(ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU-18)がシュートするもゴールの枠を捉えきれず。
しかしその3分後、ゴール左でボールを持った齋原みず稀選手(アンジュヴィオレ広島)が個人技でニュージーランドDF2人を抜いてゴールラインまでボールを運び、マイナスに入れたボールに走りこんできた長谷川唯選手(日テレ・ベレーザ)があわせ、日本が先制します。
前半はその後、ニュージーランドの堅い守りに跳ね返され、日本はなかなかシュートまで持ち込むことができません。
後半、高倉監督は佐藤選手に代えて児野楓香選手(藤枝順心高校)をピッチに送り出します。
攻撃の活性化を図るものの、なかなか決定的なチャンスに結びつけることができないまま迎えた70分、日本の波状攻撃のなかニュージーランドペナルティエリア内でハンドの反則があり、日本がPKを得ます。これを小林里歌子選手(常盤木学園高校)が落ち着いてGKの逆をつくシュートを決め、日本がリードを2点に広げます。
78分には宮川麻都選手(日テレ・メニーナ)がミドルシュート、90分にはFKから長谷川選手がシュートを打ちますがいずれもクロスバーに嫌われます。
後半アディショナルタイム3分、途中出場の松原志歩選手(セレッソ大阪堺レディース)のゴールが生まれます。左サイドを駆け上がった北川選手からのクロスにフリーでゴール正面に走りこみ、きっちりと合わせたボールがニュージーランドゴールに吸い込まれ、日本の勝利を決定づける3得点目を挙げました。
マッチMVPには長谷川選手が選出されました。



グループステージを3連勝した日本は3試合を終えて15得点0失点で準々決勝に進むことになりました。日本は、これまでの4大会全てでグループステージを突破した唯一のチームとなりました。
準々決勝の相手は、グループDを2位に終えたメキシコとなりました。ここからは90分間で勝敗が決まらない場合、延長は無く即PKとなる一発勝負。
明日は準々決勝開催地であるリベリアへ移動となります。コンディションを整えて準々決勝に臨みます。
 〜試合後のコメント〜

高倉麻子 監督
準々決勝進出は決まっていましたが、グループステージ全勝を目指していましたので3−0で勝てたことは良かったです。様々な選手が試合に出場したなかで、攻撃においてはテンポアップ不足の面がありましたが、守備の意識は継続して集中できていました。ニュージーランドも集中した良い守備をしてきたので、前半はどの選手も同じタイミングでアクションを起こしていました。変化を加える必要を感じ、ハーフタイムに少しドリブル突破を多くしようと話しました。決勝トーナメントに向けては、いかに得点を取るかといった攻撃面が課題です。コンビネーションや個人が持っている能力を引き出せるよう、積み上げていきたいです。どのチームが来ても簡単ではないですが、同時に日本の選手たちが積み上げてきたサッカーがしっかりできれば、勝つことは十分可能だと考えています。

長谷川唯 選手(日テレ・ベレーザ)
(マッチMVPとなって)このような賞をいただいて嬉しいです。ニュージーランドは前回の対戦のような狭いブロックという戦い方ではなくなっていた印象です。サイドのドリブル突破でゴールエリアには入っていけたので、これを前半からもっと仕掛けるべきだったと思います。準々決勝に向けては、チームで細かいミスを無くしていきたいです。もちろん優勝を狙いますが、チャレンジャーとしての立ち位置を忘れずに、一試合一試合戦っていきます。(準々決勝の)リベリアは暑いので、最後まで走り切ることが重要です。笛がなるまで全員でやりぬきたいです。

市瀬菜々 選手(常盤木学園高校)
キャプテンをやるのは初めての経験で、いつも以上に緊張しました。自分としてはあまりうまくプレー出来ませんでしたが、グループリーグを無失点で終えたことは良かったです。スペイン戦や、パラグアイ戦の後半は結構パスをつなげていましたが、今日はパスミスが目立ちました。ビルドアップの段階でパスを丁寧につなげませんでした。試合終盤で良い流れになったことは良かったですが、相手が疲れてきたことも要因だと思います。ロングボールへの対応が課題でしたが、今日は良かったと思います。パラグアイ戦で問題だったゲームへの入り方についても、今日は特に意識し、かなり良くなったと思います。準々決勝では、ずっと取り組んできたラインコントロールを意識しながら、速い相手に対してのタイミングも、明日からのトレーニングであわせていきたいです。さらに、ゲームの入り方に気をつけること、ビルドアップを的確にして攻撃にリズムを付けることをやりたいと思います。

浅野菜摘 選手(JFAアカデミー福島)
ナショナルスタジアムでプレーできるのが楽しみでした。前日のトレーニングでプレーに少し不安がありましたが、監督や他の選手から強気で行けと言われていたので、気持ちを入れて試合に臨みました。試合では、ずっとトレーニングでやって来たロングボールへの対応を意識し、観客が多かったので味方に届くような声出しをしようと思っていました。自分でボールを受けた場面で、次のプレーで思ったところに蹴れましたし、完璧ではなかったですがディフェンスラインの背後に来たボールを味方とコミュニケーションを取りつつ、相手より前に処理することが出来ました。次の試合に向けて、もっとリスクマネジメントの声を具体的にしたり、自分が行くのか行かないのかの判断をもっと早く、的確にしたいと思います。

小林里歌子 選手(常盤木学園高校)
試合には得点を取ろうとイメージして入りましたが、なかなかチャンスが作れませんでした。チーム全体としても、攻めてはいましたが、攻撃が単調になってしまい、課題が残りました。ゲーム前に映像で見たときからニュージーランドは最終ラインを高く保っていたので、ディフェンスラインの裏に抜けることを狙っていました。しかし、チームとして3人目の動きやコンビネーション、個人としては仕掛けが不足していたと思います。次からは一発勝負となるので絶対に負けられません。苦しい時にチーム皆で声を掛け合って、一丸となって乗り越えたいと思います。






準々決勝

決勝トーナメント 準々決勝:メキシコ戦 試合詳細

 リトルなでしこ 2-0 U-17メキシコ女子代表 
(前半0-0)
     
 
2014年3月27日(木) 17:00キックオフ(現地時間)
@Edgardo Baltodano Stadium(コスタリカ/リベリア)
〜スターティングメンバー〜

  松本真未子
  北川ひかる、市瀬菜々、大熊良奈、遠藤優
  杉田妃和、長野風花、宮川麻都、
     長谷川唯、松原志歩
  小林里歌子
〜控えメンバー〜

  浅野菜摘、森田有加里
  橋沼真帆、南萌華
  西田明華、佐藤瑞夏、平塚万貴
  鴨川実歩、児野楓香、齋原みず稀
〜得点経過〜
 12分 日本 長谷川唯
 44分 日本 杉田妃和
〜選手交代〜
 60分 遠藤優 → 齋原みず稀
 75分 小林里歌子 → 平塚万貴
 85分 長谷川唯 → 西田明華
〜マッチポレポート〜
連日の猛暑が和らいだものの、強風に見舞われたリベリアのEdgardo Baltodano Stadium。
17時キックオフの時点で気温は27度です。
2012年のアゼルバイジャン大会では、グループステージを17得点0失点で突破しながら、準々決勝でガーナを相手にに0-1で敗れ、大会敗退を余儀なくされました。準々決勝は鬼門のステージです。
高倉ジャパンはここまでの3試合で15得点0失点と、前回大会を彷彿とさせる強さで勝ち上がりました。



準々決勝の対戦相手はメキシコ。グループステージで中国に4-0と大勝、3試合を8得点3失点で乗り切り、攻撃陣の強さが持ち味です。昨年4月26日にコスタリカの4カ国対抗戦で対戦した時には2-0で日本が勝利していました。
3,406人の観衆が集まったなか、風下の日本がキックオフ。浮き球は風によってかなり勢いをそがれてしまいます。
最初の決定機は日本、7分に右サイドから中央に入れられたボールにゴール前で宮川麻都選手(日テレ・メニーナ)が合わせようとし、DFにクリアされます。その2分後に長谷川唯選手(日テレ・ベレーザ)からのラストパスに合わせて小林里歌子選手(常盤木学園高校)が走りこみ、メキシコGKが好セーブ。
12分、右サイドの小林選手からペナルティエリア内に入ったクロスに宮川選手が合わせるもDFに当たります。こぼれ球に長谷川選手が反応して押し込み、日本が早い時間帯の先制に成功します。



これによってペースをつかんだ日本。23分と24分に長谷川選手がミドルシュートを狙い、28分、29分には杉田妃和選手(藤枝順心高校)も惜しいシュートを放ちます。
「グラウンダーのボールをつなげ!」と高倉監督から度々声がかかります。



32分、今度はメキシコの反撃です。中盤から大きく蹴られたボールにGK松本真未子選手(浦和レッズレディースユース)が飛び出しますがボールに触れず、相手FWに頭で触られてしまいます。しかし、DF大熊良奈選手(JFAアカデミー福島)がきっちりカバーリングに戻ってクリア。日本が最大のピンチを防ぎます。
逆に42分、ペナルティエリア内でボールを受けた長谷川選手が相手選手からの反則を受け、日本がPKを得ます。
長谷川選手自身がPKを蹴りますが、ゴール中央に蹴ったシュートはメキシコGKの足にあたって決まらず。しかし、このこぼれ球に詰めていた杉田選手が押し込み、日本がリードを2点として前半を折り返します。





後半は風上に立ったものの、なかなか追加点が決まりません。
60分にはサイドバックの遠藤優選手(浦和レッズレディースユース)に替えてFW齋藤みず稀選手(アンジュヴィオレ広島)を、75分(小林選手→平塚万貴選手(西南フットボールクラブU-15))と85分(長谷川選手→西田明華選手(セレッソ大阪堺レディース))にも選手交代をして攻撃の活性化を狙いますが、4度の決定機を相手GKの好セーブやシュートの不正確さによって決めきれず、2点リードのまま日本が勝利を収めました。
マッチMVPには杉田選手が選出されました。



準々決勝を突破し、前回大会の成績を超えたベスト4にコマを進めました。31日の準決勝の対戦相手は、準々決勝でカナダとの接戦を3-2で制したベネズエラです。南米を1位で通過してきたこのチームは強力なFWを擁してこれまでの4試合で計11得点をたたき出しています。
準決勝のもう1試合はガーナとナイジェリアのアフリカ勢をそれぞれ下したイタリアとスペインのヨーロッパ対決となりました。
グループリーグ第3戦後に高倉監督が「(これからのステージは)いかに得点するか」と語っていた課題は残ったままです。準決勝に向けて気持ちを切り替え、良い準備を進めていきます。
〜試合後のコメント〜

高倉麻子 監督
まずはこの試合に勝てて嬉しいです。メキシコは非常に得点力もあり、難しい相手でした。さらに強風もあり、ゲームのペースを掴むことが難しかったです。前半の良い時間帯に得点できたことがよかったです。(地元サポーターの声援を受けていたが)応援していただいているのは大きな歓声として聞こえていましたし、日本を含めて地元の方々に応援していただき、選手たちの力になったと思います。準決勝の相手・ベネズエラには強力なFWを含め良い選手も多く、南米らしく個人技が高い印象があります。もちろん簡単に勝てる相手ではありませんが、日本の力を十分に出し切って、ぜひ勝ちたいです。

杉田妃和 選手(藤枝順心高校)
ベスト8の戦いを突破できて嬉しいです。ホイッスルがなった瞬間、あと2試合このチームで試合ができるのだと思いました。1人1人が自分はどういうプレーをするのか、自分なりの目標を持って今日の試合に臨みました。そして、全員でどういうプレーをするかも話をしました。対戦相手のメキシコにはあまり攻めこまれた印象はありませんが、FKのキックの精度も高く、こちらのディフェンスラインの処理ミスを狙う感じでした。危険なシーンも何度かあり、前回大会よりも難しい相手となっていました。前半は風下でボールが押し返されましたが、チャンスを作って攻撃できるよう心がけました。毎試合、ゴールに関わることができているのはとてもよいことですが、チャンスを決めきれないシーンも多く、課題です。あと2試合、しっかり勝利して目標としてきた優勝を成し遂げたいと思います。この夢をかなえるため、しっかり準備したいです。

長谷川唯 選手(日テレ・ベレーザ)
今日は負けたら終わりというプレッシャーもありましたが、準々決勝を突破でき、内容はどうあれ勝ったことはとても嬉しいです。やっとこの大会で準決勝に進めますし、あと2試合このチームでできることになりました。ワールドカップでさらに2試合できることは貴重な経験だと思います。これを経験できるのとできないのでは大きな違いがあります。(得点シーンは)中に入っていってボールがこぼれてきたので、シュートというよりボールに触ったという感じでした。今日はミドルシュートを積極的に狙う意識を持ってやりました。前半は向かい風でシュートが弱まってしまいましたが、後半はもっとミドルシュートを打てればよかったので、シュートチャンスをしっかり決め切ることが課題です。次からは1点がより重いものになると思います。結果にこだわって戦いたいです。

宮川麻都 選手(日テレ・メニーナ)
事前に相手のサイドバックはロングボールを蹴ってくると聞いていたので、前からプレッシャーをかけてロングボールを蹴らせないように注意しながら試合に入りました。また、風が強かったので、風でボールが止まるところにも注意しました。2点のリードでハーフタイムに入りましたが、後半は何が起こるかわからないので、0-0と考えて臨もうと指示を受けました。メキシコはパワーがあり、1対1や競り合いに負けてしまったところもありました。次への課題です。サイドハーフとしてプレーし、自分の長所は裏への飛び出しなので、積極的にこれを狙いました。今日は決めるべきところで決められないなど、多くの課題が見つかりました。次の試合はまだ準決勝なので、1つずつ勝ち進んで優勝を狙いたいです。

大熊良奈 選手(JFAアカデミー福島)
この試合も無失点で抑えたこと、しっかり全員で戦って勝てたことが嬉しいです。今日はしっかりセンターバックとしての仕事をしました。2012年の大会をベスト8で終えて、ここで負けたら残り2試合ができなくなるので、絶対に守り切って勝つという強い気持ちで試合に臨みました。危険なシーンもありましたが、GKの松本選手が出たので、ゴールにカバーに行ってクリアしました。去年のコスタリカ遠征でメキシコと戦っていましたが、そのときはFWとしてプレーしました。メキシコのディフェンスラインは身体が強くてなかなか前を向かせてもらえない印象でした。今回はセンターバックとして出場し、背番号11の選手など相手は身体も強かったですが、こちらも絶対に負けないと思ってプレーしました。次の試合は決勝に進むための大事な試合です。しっかり全員で戦い、しっかりと守って無失点で決勝に進みたいです。






準決勝

決勝トーナメント 準決勝:ベネズエラ戦 試合詳細

 リトルなでしこ 2-0 U-17メキシコ女子代表 
(前半0-0)
     
 
2014年3月31日(月) 17:00キックオフ(現地時間)
@Edgardo Baltodano Stadium(コスタリカ/リベリア)
〜スターティングメンバー〜

  松本真未子
  北川ひかる、市瀬菜々、大熊良奈、遠藤優
  杉田妃和、長野風花、宮川麻都、
     長谷川唯、松原志歩
  小林里歌子
〜控えメンバー〜

  浅野菜摘、森田有加里
  橋沼真帆、南萌華
  西田明華、佐藤瑞夏、平塚万貴
  鴨川実歩、児野楓香、齋原みず稀
〜得点経過〜
 12分 日本 長谷川唯
 44分 日本 杉田妃和
〜選手交代〜
 61分 北川ひかる → 齋原みず稀
 73分 小林里歌子 → 平塚万貴
〜マッチポレポート〜

準決勝の舞台は準決勝と同じリベリアのEdgardo Baltodano Stadiumとなりました。ここは常に風のある会場です。平日にもかかわらず、観客は3528人。バックスタンドはほぼ満席でした。

対戦相手のベネズエラは、開催国コスタリカと同じグループA、リベリアは初体験です。今大会4試合で通算11得点を挙げ、そのうち9得点のFW2選手に徹底してパスを繋ぐクイックカウンターで勝ち上がってきました。準決勝ではカナダに逆転を許したものの、3−2と競り勝ってベスト4入り。これに対し、試合前のミーティングで高倉監督は「まず守備の意識を持とう。それが良い攻撃につながる。チームの成長を見せ、必ず勝つこと!強い気持ちで最後まで戦い続けよう!」と選手たちに語りました。
風上の日本のキックオフで始まった試合、1分過ぎに1本目のCKを得ますがチャンスにはなりません。3分には再びCKから、5分にもキャプテンの杉田妃和選手(藤枝順心高校)のボールからチャンスが生まれますが、いずれも決まりません。



13分、左サイドから中央に入ったボールをペナルティエリア付近で受けた小林里歌子選手(常盤木学園高校)が落とし、走りこんだ長野風花選手(浦和レッズレディースユース)が右足を振りぬきます。鋭いシュートがベネズエラゴール左隅に決まり、早い時間帯に日本が先制に成功します。
その後も杉田選手、長谷川唯選手(日テレ・ベレーザ)がフリーでヘディングシュートのチャンスを迎えますが、いずれもゴールの枠を捉えられません。
23分には右コーナー辺りでFKのチャンスを得ます。杉田選手の低いボールに長谷川選手がニアで走りこみますが、ボールはそのままファーサイドへ。フリーとなっていた市瀬菜々選手(常盤木学園高校)が落ち着いて右足で流し込み、早いタイミングで追加点を得ます。前半終了間際には素早いサイドチェンジからベネズエラペナルティエリアからやや右で受けた松原選手が狙いすましたシュートを放ちますが、これはクロスバーに嫌われてしまい、前半を2点のリードで折り返します。



後半、ベネズエラの右サイドを効果的に使って自らフリーとなっていた長谷川選手が杉田選手のパスからワンタッチでクロスを上げます。中央に走りこんでいた小林選手が丁寧に右足のインサイドで合わせ、3点目が入ります。
その5分後、日本の守備陣がつなごうとした縦パスが流れたところ、相手選手が思い切ったロングシュートを放ちます。あわやゴールインかと思われましたが、GK松本真未子選手(浦和レッズレディースユース)がスーパーセーブでボールをゴールの枠から弾き出します。
63分、長谷川選手から相手ペナルティエリア内でパスを受けた杉田選手が相手に足をかけられ、PKを得ます。これを杉田選手自身がきっちりと決め、この試合4点目、自身の大会通算得点を5(得点女王争い2位)に伸ばします。



このまま終わるかと思われた後半アディショナルタイム。日本の右サイド深くからベネズエラ選手にクロスを上げられ、ゴール正面でフリーとなった選手に決められ、大会初失点を喫します。このまま試合は終了。大会通算21得点(内PK3点)1失点としました。得点者リストには、これまでの5試合で11人の選手名が並びました。
試合を重ねるごとに、現地在住の日本人の皆さんからの声援、そして地元コスタリカのサポーターからの「ハポン!ハポン!」という大きな声援が送られ、チームの大きな力になっています。
決勝戦の相手は、イタリアとのヨーロッパ対決を2本のPKによって2−0で制したスペインとなりました。スペインとはグループステージ初戦で対戦しています。チームの集大成をナショナルスタジアムでは披露するべく、残り3日間、しっかりリカバリーと問題修正に取り組みます。

準決勝のマッチMVPは長谷川唯選手でした。

〜試合後のコメント〜

高倉麻子 監督
今日良かったのは試合に勝利できたことです。選手たちも、緊張感のあるなかで最後までしっかりプレーしてくれました。攻撃面ではミスが多く、特に前半は重苦しい雰囲気になった印象がありますが、いい時間帯に得点することができました。守備陣もベネズエラの強力なFWに我慢強く対応できました。グループステージでは比較的得点を取ることができました。決勝トーナメントから一発勝負となる難しさがあるなかで、準々決勝のメキシコ戦ではメンタルコントロールをしっかり行い、チームでやるべきことを伝えて勝負に集中して臨ませました。今日も、個人が我慢強くやるべきことは、チームのためであることを徹底しました。これが勝利につながったと思います。自信を持って、決勝に臨みたいと思います。

長谷川唯 選手(日テレ・ベレーザ)
2012年大会のU-17女子ワールドカップに出場したときは優勝を狙いながらも、準々決勝で負けてしまいましたので、決勝の舞台に立てることが嬉しいです。いい時間帯に先制し、2点目を取って試合を折り返せたことが一番のポイントだったと思います。前半はボールを受けても簡単に失ってしまうなど個人的には良いプレーが全くできませんでした。後半に向けて修正し、相手のラインの間でボールを受けてフリーな味方を上手く使うことが出来ました。また自陣で奪ったボールをサイドに速く展開するといい場面を作れたので、スピードを持って上がれるよう、どんどん仕掛けました。守備陣がしっかり守備をして相手に自由にやらせず、しっかり対応してくれたと思います。ワールドカップの決勝の場は今までにない感覚で、まだ実感はありません。

長野風花 選手(浦和レッズレディースユース)
ベネズエラは今までの相手よりも足が伸びてきて、ボールを持っているときや奪ったときに普段と同じようにプレーすると、ボールを奪われてしまいました。後半はワンタッチでパスを出したり、素早い判断ですぐに展開するなど、早いプレーを心がけました。(シュートシーンは)小林選手にパスが入り、チャンスだと思って落としてもらい、シュートしました。ウォーミングアップの際に、大部コーチから身体の重心を前へと意識するようにアドバイスを受け、それを守ってシュートしました。GKが右に寄っていてゴール左側があいていたので、そこを狙いました。勝てば決勝という大事な試合で勝てたことは嬉しいですが、中盤で簡単にボールを失ったり、パスの強さやスピードなど細かい部分のミスが多く、課題が沢山残った試合でした。次の試合では出たらまずしっかり守備から入り、バランスを取ってセカンドボールやプレスバックをし、チャンスがあればシュートを狙って行きたいです。

小林里歌子 選手(常盤木学園高校)
最後に失点してしまいましたが、決勝に進むことができたのは良かったです。ベネズエラは今まで戦ってきた中でも、身体が強くて球際も厳しかったです。(ゴールシーンは)長谷川選手がワンタッチで相手GKとDFの間にシュート性の速いクロスを入れ、私は合わせるだけでした。きっちりと右足でゴールの右端に流して打とうと思いました。今日は真ん中やサイドでプレーしましたが、自分たちのペースを作れない時に前でキープすることができず、ボールが来ても奪われてしまうことが多くありました。メキシコ戦よりは落ち着いて裏への抜け出しや仕掛けなど自分のプレーが出せましたが、もっと出来たと思います。チームとしては、ベネズエラのバックラインからロングボールが出そうなときに、プレスを掛けて蹴らせないようにする狙いが個人、そして全体としてもできていたと思います。

大熊良奈 選手(JFAアカデミー福島)
ここで負けたら優勝まで行けないと思い、ウォーミングアップのときから緊張していました。今日勝てたことは嬉しいですが、無失点で抑えたかったです。ベネズエラの11番はスピードがとても速いかったですが、後半は慣れてきて相手のスピードやドリブルについていくことができました。前半は、ディフェンスラインの裏にボールを入れられたときにラインを下げるのが遅かったり、裏に走りこまれたことが何度もありました。相手のベネズエラは身体が大きく、スピードがありました。序盤はヘディングをかぶってしまったり、チャレンジ&カバーがうまくできませんでしたが、後半に入って徐々に慣れていきました。ここまでのワールドカップのなかで一番、終わってから身体が重く感じ、やりきった感がありました。決勝進出はまだ実感がありませんが、嬉しいです。

松本真未子 選手(浦和レッズレディースユース)
この試合の結果、私達の夢であるワールドカップの優勝に近づくことが出来ました。優勝できるチャンスがあることは自信になりますし、決勝の舞台を楽しみたいです。大会前はこのチームはそこまで強いと言われてなかったと思いますが、チームワークの良さには自信がありました。決勝でもそれを信じて戦いたいです。ベネズエラにパワーがあるという特徴はわかっていたので、ロングシュートも前々から警戒し、自分の頭の片隅においていました。リードして勝っていて、決勝に進出できたことは嬉しいですが、無失点でこの試合を乗り切ることが目標でしたので失点はとても悔しいです。これを反省し、決勝は無失点におさえて優勝したいです。






決勝

決勝トーナメント 決勝:スペイン戦 試合詳細

 リトルなでしこ 2-0 U-17スペイン女子代表 
(前半1-0)
     
 
2014年4月4日(金) 17:00キックオフ(現地時間)
@National Stadium(コスタリカ/サンホセ)
〜スターティングメンバー〜

  松本真未子
  西田明華、市瀬菜々、大熊良奈、遠藤優
  杉田妃和、長野風花、宮川麻都、
     長谷川唯、松原志歩
  小林里歌子
〜控えメンバー〜

  浅野菜摘、森田有加里
  橋沼真帆、南萌華、北川ひかる
  佐藤瑞夏、平塚万貴
  鴨川実歩、児野楓香、齋原みず稀
〜得点経過〜
 5分  日本 西田明華
 78分  日本 児野楓香
〜選手交代〜
 61分 遠藤優 → 児野楓香
 79分 西田明華 → 齋原みず稀
〜試合後のコメント〜

高倉 麻子 監督
このような素晴らしい大会で優勝することができて、とても光栄です。スペインは素晴らしいチームでしたし、決勝戦で当たることが決まって、簡単な試合にはならないと思っていました。選手たちは17歳以下とまだ若く、ほとんどの選手が世界大会は初の経験でした。ゲーム前にはナーバスになっていましたが、試合中は勇気を持って戦ってくれました。優勝はしましたが、選手たちはまだ若く未来があるので、この大会を試金石として今後、伸びていってほしいと思います。代表カテゴリーでの初の女性監督といろいろなところで言われますが、チームを優勝に導きたいと大会に臨むなかで、特に女性ということではなく、一サッカー人として持っているものを選手たちにぶつけました。選手たちが頑張ってくれて、このタイトルをつかみとることができました。選手たちの力です。

杉田 妃和 選手(藤枝順心高校)
とても嬉しいです。今も夢のようで実感がありません。今日も、ピッチに立ってから、やっと決勝に来たのだなと思いました。前回の2012年大会からここを目標にしてきましたが、実際にここまで来れたことは驚きでした。今日はみんな体力もきついなかで、早い時間帯に先制点がとれたことが良かったです。悪い流れが続き、良い攻撃ができない時間帯も長かったですが、全員で諦めず、日本のつなぐサッカーをやり続けました。今大会、他のゲームではそのような時間帯はなかったので、今日は苦しかったです。
この結果で満足したら次の進歩はありません。これをスタートとして努力し、上を目指すことでさらに次の代表カテゴリーにも入っていけると思いますし、日本の女子サッカーが強くなっていくと思います。地元のみなさんや日本のサポーターのみなさんが初戦からずっと応援してくれ、感謝の気持でいっぱいです。みなさんの応援があったから、今日も最後まで走り続けることができました。

長谷川 唯 選手(日テレ・ベレーザ)
今日は内容よりも結果が大事でした。得点をとって、無失点で勝利できたことが一番良かったです。いつもは自分たちがボールを回して試合を進めていましたが、スペインも同じタイプのチームでした。今日は守備の時間が長かったですがしっかり集中して守ることができ、早い時間帯に先制点をとることができました。守備の部分では相手を上回ることができたと思うので、この先制点がキーとなったと感じています。良いつなぎは試合中にありましたが、課題だった決定機を活かすことについて、自分自身も何回か機会がありましたが決めきれませんでした。スペインは、初戦では軽くプレッシャーをかければすぐに横パスをしたのでやりやすかったですが、今日は前に大きく蹴ってきたので戦いづらかったです。優勝トロフィーを勝ち取れたことは良かったですが、個人的にはメキシコ戦やベネズエラ戦のほうが出来が良かったと思っています。

松本 真未子 選手(浦和レッズレディースユース)
今朝は決勝戦という実感がわきませんでした。自分自身に「ワールドカップの決勝に立つ」と言い聞かせ、この空気を楽しもうと考えていました。これまでトレーニングを積んできて、シュートストップやクロスへの対応に手応えを感じていたので、今日はいつもよりも自信を持ってピッチに入れました。また守備陣がよく身体を張ってくれて、大きなピンチはなく、日本らしいサッカーが出来たと思います。クロスについては自信を持っていましたし、いつでもクロスボールに出ていける準備をしていたので、思い切ってチャレンジ出来ました。ワールドカップ優勝の実感はまだありませんが、みんなでトロフィーを頭上に掲げられたことはとても良かったです。(大会最優秀GKの個人賞は)自分だけの力ではなく、ディフェンスが身体を張ってシュートを打たせなかったので、チームの全員に感謝したいです。今後はU-20、そしてなでしこジャパンの一員となり、将来的に1番を背負ってワールドカップやオリンピックで優勝したいです。

西田 明華 選手(セレッソ大阪堺レディース)
試合前日の紅白戦で、最初はスタメン組に入りましたが全く良いプレーができず、試合日のミーティングで先発を伝えられるまでどうなるかと思っていました。このチームでの最後の試合なので、しっかりと結果を残そうと思って臨みました。第一にチームが優勝したこと、そして自分も得点ができたことで少しは貢献できたと思えたことが良かったです。松原選手のシュートは枠に行くと思っていたので、相手GKが弾いたり、バーへの跳ね返りがあるかもしれないと思ってゴール前に詰めていました。ちょうどこぼれ球が来て、ゴールに流しこむだけでした。この大会で優勝できて良かったですし、最終戦に出られて大きな自信になりました。これから先のサッカー人生につながる大切な経験、そして大会でした。

児野 楓香 選手(藤枝順心高校)
コスタリカに来た時に、決勝戦の舞台に出場して、監督やコーチ、スタッフのみなさんと「必ずピッチで最後は笑う」と約束しました。あきらめずにみんなを信じてプレーしようと思いました。自分の仕事は得点することです。やり残すことがないように、全部出しきろうと思いました。出番を作ってくれた監督に感謝しています。今まで自分を指導してくださった指導者のみなさん、応援してくれた方々に少しですが恩返しができました。日本を応援してくださった方々、本当にありがとうございました。まだまだ自分たちはスタートを切ったばかりなので、これからもよろしくお願いします。