順 位 |
チーム名 | 勝 ち 点 |
試 合 数 |
勝 | 分 | 負 | 得 点 |
失 点 |
得 失 点 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 岡山湯郷Belle | 36 | 18 | 11 | 3 | 4 | 37 | 25 | +12 |
2 | 日テレ・ベレーザ | 35 | 18 | 10 | 5 | 3 | 36 | 14 | +22 |
3 | 浦和レッドダイアモンズL | 35 | 18 | 10 | 5 | 2 | 30 | 11 | +19 |
4 | アルビレックス新潟L | 32 | 18 | 10 | 2 | 6 | 30 | 18 | +12 |
5 | INAC神戸レオネッサ | 29 | 18 | 9 | 2 | 7 | 33 | 18 | +15 |
6 | ジェフユナイテッド千葉L | 28 | 18 | 8 | 4 | 6 | 27 | 23 | +4 |
7 | ベガルタ仙台レディース | 25 | 18 | 7 | 4 | 7 | 23 | 17 | +6 |
8 | ASエルフェン埼玉 | 17 | 18 | 5 | 2 | 11 | 30 | 47 | -17 |
9 | 伊賀FCくノ一 | 16 | 18 | 4 | 4 | 10 | 24 | 29 | -5 |
10 | 吉備国際大学Charme | 1 | 18 | 0 | 1 | 17 | 11 | 79 | -68 |
日付 | チーム (HOME) |
結果 | チーム (AWAY) |
時間 | 会場 | 観客数 |
3/29(土) | 日テレ | 5-1 | AS埼玉 | 13:00 | 味の素スタジアム西競技場 (東京都) |
1,238人 |
3/30(日) | ベガルタ | 1-0 | ジェフL | 13:00 | ユアテックスタジアム仙台 (宮城県) |
1,686人 |
伊賀FC | 0-3 | 新潟L | 13:00 | 上野運動公園競技場 (三重県) |
511人 | |
INAC | 2-3 | 浦和L | 13:00 | ノエビアスタジアム神戸 (兵庫県) |
3,517人 | |
湯郷ベル | 2-1 | 吉備国大 | 13:00 | 美作ラグビーサッカー場 (岡山県) |
2,585人 | |
なでしこリーグ レギュラーシリーズ 第1節レポートより日テレ5ゴール好発進 浦和は4季ぶりI神戸に勝利 プレナスなでしこリーグ2014は3月29日(土)、30日(日)に、 レギュラーシリーズ開幕戦を迎えました。
この日の日テレの中盤は、右から隅田凛、阪口夢穂、原菜摘子、中里優という顔ぶれ。「長谷川唯が(U-17 女子ワールドカップ出場で)不在のため、苦肉の策だった」と寺谷真弓監督は表現したが、この4人がゲームを制圧した。 31分に隅田、籾木の仕掛けから阪口が開幕第一号ゴールを突き刺すと、42分には籾木、ハーフタイムを挟んだ47分には中里が決めて、一気にリードを広げた。 終了間際には途中出場の新加入FW嶋田千秋に初ゴールが生まれ、最終スコアは5-1。2ゴール1アシストの活躍を見せた籾木は、「開幕戦に勝ててほっとしています。優勝目指して頑張ります」と力強く宣言。また、原は3アシストと躍動した。 一方のAS埼玉は齋藤有里のゴールで一矢を報いたが、試合後の松田岳夫監督は「協力し合う意識はあったが、個々が自分の力を出し切れず、味方に頼ってしまった」と振り返った。AS埼玉には山郷のぞみ、伊藤香菜子、荒川恵理子など、なでしこリーグ優勝経験を持つ実力者たちが揃う。彼女たちに共通する、強い意志をともなったプレーは、伸び盛りの選手たちの手本となることだろう。
I神戸も髙瀬愛実、仲田歩夢が豪快なシュートを披露したが、4季ぶりの開幕黒星スタートとなった。
新潟Lの山崎円美が前半17分までに3得点を挙げ、試合を決めた。 伊賀FCはピッチに水が浮くほどの悪天候にも惑わされ、地元開幕戦を飾れなかった。
そのまま逃げ切った。ジェフLは、OGでもある三上尚子新監督の初陣を飾れなかった。
開始早々に宮間あやのボレーで湯郷ベルが先制。すぐさま同点とされるも、68分に松岡実希がヘッドで押し込んで吉備国大を振り切った。 |
日付 | チーム (HOME) |
結果 | チーム (AWAY) |
時間 | 会場 | 観客数 |
4/5(土) | ジェフL | 4-2 | 湯郷ベル | 12:00 | ゼットエーオリプリスタジアム (千葉県) |
734人 |
ベガルタ | 1-0 | INAC | 13:00 | ユアテックスタジアム仙台 (宮城県) |
2,464人 | |
新潟L | 0-0 | 日テレ | 13:00 | 新潟市陸上競技場 (新潟県) |
856人 | |
4/6(日) | AS埼玉 | 0-3 | 吉備国大 | 13:00 | 川越運動公園陸上競技場 (埼玉県) |
1,076人 |
伊賀FC | 4-1 | 浦和L | 13:00 | 上野運動公園競技場 (三重県) |
675人 | |
なでしこリーグ レギュラーシリーズ 第2節レポートよりベガルタがI神戸戦初勝利 浦和は開幕2連勝で首位に プレナスなでしこリーグ2014は4月5日(土)、6日(日)に、レギュラーステージ第2節を行いました。ベガルタと浦和が開幕2連勝、ジェフLは今季初勝利を飾りました。
I神戸は開幕戦で負傷交代したMF南山を欠く陣容。代わって新人のFW 増矢理花を先発に起用し、フォーメーションも澤穂希、中島依美のダブルボランチに変更して臨んだ。だが、ベガルタの集中した守備の前にボールがうまく回らない。33分には一瞬の隙を突いてFW京川舞がシュートを放つも、ボールはポストの右脇に逸れた。 好守備からリズムをつかんだベガルタは、「押し込まれる時間もあったがプランどおり」(千葉泰伸監督)とポジティブに後半を迎えると、さらに勢いを増した。50分にMF上辻佑実、FW小野瞳が連続シュート。さらに詰めたDF髙良亮子が倒れるも、ホイッスルは鳴らずチャンスを逸した。続く55分にはMF田原のぞみがGKと1対1の局面を迎えたが、I神戸のGK海堀あゆみがファインセーブで防いだ。 そして迎えた88分、中盤のこぼれ球を拾った上辻が素早く縦に展開すると、途中出場のMF井上綾香が得意のドリブルで前進してラストパス。これを受けた小野がついに決めて、1-0。残り時間を全員で守り抜いたベガルタが2連勝を飾った。 試合を終えた選手たちをベンチで出迎えたのは、昨季で現役を退き現在は裏方としてチームを支える下小鶴綾コーチと天野実咲主務だった。涙する二人の姿を見てもらい泣きしたという齋田由貴キャプテンは「去年悔しい思いをした人たちのためにも勝ちたかった。苦しい時間にも負けない気持ちで戦えた」と、喜びを語った。 一方、I神戸のリーグ戦での連敗は、2010年第4-7節に4連敗を喫して以来、4年ぶりとなった。
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日付 | チーム (HOME) |
結果 | チーム (AWAY) |
時間 | 会場 | 観客数 |
4/12(土) | 日テレ | 2-0 | ベガルタ | 13:00 | 秋田市八橋運動公園陸上競技場 (秋田県) |
2,435人 |
4/13(日) | 浦和L | 5-0 | AS埼玉 | 13:00 | 浦和駒場スタジアム (埼玉県) |
3,464人 |
INAC | 2-0 | 新潟L | 13:00 | ノエビアスタジアム神戸 (兵庫県) |
2,129人 | |
湯郷ベル | 2-1 | 伊賀FC | 13:00 | 美作ラグビー・サッカー場 (岡山県) |
1,815人 | |
吉備国大 | 1-2 | ジェフL | 13:00 | 笠岡陸上競技場 (岡山県) |
441人 | |
なでしこリーグ レギュラーシリーズ 第3節レポートより美作の死闘は湯郷ベルの劇的勝利。浦和は3連勝。I神戸は今季初勝利。 プレナスなでしこリーグ2014は、4月12日(土)と13日(日)に、レギュラーシリーズ第3節を行った。剣豪・宮本武蔵の生誕地とされる岡山県美作市で行われた湯郷ベル対伊賀FCは、文字どおりの死闘となり、後半終了間際にMF宮間あやがゴールを決め、湯郷ベルが勝利。また、浦和は唯一の開幕3連勝で首位をキープ。リーグ3連覇中のI神戸は、今季初勝利を飾った。
立ち上がりから両者とも激しく球際でぶつかりあう。湯郷ベルは有町紗央里、松岡実希のFW陣からしつこくボールを追い、相手のリズムを分断。ボールを奪えば早いタイミングで縦パスを送り、チャンスを作ろうと試みた。すると24分、CKに飛び込んだ松岡が自身3試合連続となるゴールを決め、湯郷ベルが先制点を挙げた。 一方、伊賀FCの浅野哲也監督は「立ち上がりから相手のプレスを怖がって、つなぐことができなかった」と、前半に目立ったボールコントロールミスに対してハーフタイムに手を打った。後半の頭からFW松長佳恵に変えてFW小川志保を投入し、小川のスピードを活かす速攻に活路を見出すと、リードされている伊賀FCに勢いが生まれた。そして74分、DF宮迫たまみのセンタリングが意外な軌道を描き、湯郷ベルGK福元美穂の頭上を越えてゴールに吸い込まれた。1-1。ここから伊賀FCの怒濤の攻めが始まった。 完全に足が止まった湯郷ベルDF陣に対し、「これでもか」と小川を走らせた伊賀FCは86分、その小川からのパスを受けたMF杉田亜未がシュート。クロスバーに跳ね返ったところを宮迫が狙うが、今度は福元のファインセーブにあい、絶好の勝ち越し機を逃した。 命拾いした湯郷ベルは、試合終了間際に最後の力を振り絞る。「走れ!」と宮間からの激を受けてダッシュしてきた有町が、ペナルティエリア内で倒されPKを獲得。これを「たくさん詰めかけてくれた、会場のみんなへの気持ちを込めて蹴った」という宮間が決めて、勝ち越し。2分強のアディショナルタイムを守りきった湯郷ベルが、劇的な勝利を飾った。 湯郷ベルは勝ち点を6に伸ばし、総得点の差で4位に浮上。伊賀FCは開幕3連敗となり、最下位脱出を果たせなかった。
前半は日テレのシュートを3本に抑えたものの、64分、自陣でボールをカットされると素早い攻めに対応しきれず、日テレMF阪口夢穂に左足で決められ失点。すかさずたたみかける日テレはその5分後、DF有吉佐織からのクロスをFW籾木結花がワンタッチで合わせて突き放した。なお、U-17女子ワールドカップを制した日テレMF長谷川唯も後半から出場した。
首位固めを狙うホームの浦和はキャプテンのFW後藤三知を出場停止、同じくFWの吉良千夏を体調不良で欠く陣容。代わってFW大滝麻未とMF栗島朱里が今季初先発を果たした。その大滝のなでしこリーグ初ゴールなどで着々とリードを広げた浦和は、終盤にFW清家貴子、DF斎藤あかねの途中出場選手にもゴールが生まれた。元在籍選手のGK山郷のぞみから計5点を奪った浦和が快勝し、唯一の開幕3連勝。AS埼玉には球際の粘りなど、課題が残った。
前節のベガルタ戦同様、トップ下で先発起用された新人MF増矢理花が輝いた。14分のCKの場面を迎えると、ゴール前でDF三宅史織が触ったボールに増矢が反応し、先制。攻撃力が蘇ったI神戸は前半だけで10本のシュートを放ち、後半にも増矢のゴールで追加点を挙げて快勝。対する新潟Lは序盤こそいい形でボールを奪えていたものの、セットプレーから2失点を喫し、MF山崎円美のリーグ通算100試合出場を白星で飾れなかった。
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日付 | チーム (HOME) |
結果 | チーム (AWAY) |
時間 | 会場 | 観客数 |
4/19(土) | ジェフL | 1-2 | 新潟L | 13:00 | フクダ電子アリーナ (千葉県) |
978人 |
湯郷ベル | 1-1 | INAC | 14:00 | kankoスタジアム (岡山県) |
2,415人 | |
4/20(日) | ベガルタ | 1-0 | AS埼玉 | 13:00 | 石巻市総合運動公園 フットボール場(宮城県) |
1,252人 |
浦和L | 3-0 | 吉備国大 | 13:00 | 鴻巣市陸上競技場 (埼玉県) |
1,440人 | |
伊賀FC | 1-1 | 日テレ | 13:00 | 上野運動公園競技場 (三重県) |
580人 | |
なでしこリーグ レギュラーシリーズ 第4節レポートより浦和が開幕4連勝で首位キープ。接戦を制したベガルタは2位浮上。 プレナスなでしこリーグ2014は4月19日(土)と20日(日)に第4節を行った。鴻巣市立陸上競技場で行われた浦和対吉備国大の試合は3-0で浦和が勝利。地元・鴻巣市出身の加藤千佳にも得点が生まれ、開幕4連勝に花を添えた。その他の4カードは、いずれも目の離せない接戦となった。
序盤は攻め急いだ。吉備国大が2人または3人掛かりでサイドからの展開を封じにかかると、浦和の攻めが単調に、強引になりかけた。ボールが独特の跳ね方をするこの日のピッチ状態も、浦和のリズムに影響を与えた。 DFの高畑志帆は、立ち上がりの攻撃を「空いている場所が見えた時、出し手のタイミングでロングパスを入れてしまう場面があった」と振り返る。それでも「サイドバックやボランチを使って、相手の様子をうかがってもいい」と見極め、次第に相手に対応。こうしてリズムをつかんでいった過程を、吉田靖監督は「焦らずにサッカーができた」と評価した。 すると21分、ぽっかり空いた中央のスペースでボールを持ったMF柴田華絵が、冷静に相手をかわして先制ゴールを挙げる。直後に吉備国大FW西川明花の飛び出しによってピンチを招いたが、MF藤田のぞみが間一髪クリア。その後、浦和は長短のパスで相手を左右に揺さぶり、30分にFW後藤三知のヘディングシュートでリードを広げる。67分には藤田のスルーパスに反応した加藤がPKを獲得。「普段はPKを蹴ることがあまりない」という加藤だが、仲間に背中を押されてしっかりと決めた。 浦和はこれで開幕4連勝とし、首位をキープ。一方の吉備国大は唯一の4連敗で最下位に転落したが、太田真司監督は「今日は4試合で一番積極性が見られた」と、高い位置からのプレッシングやリスクを背負った攻撃参加などの場面で、選手たちの成長を実感した。
その福元がI神戸の攻撃陣を相手に大活躍。立ち上がり、FW京川舞に今季初ゴールを決められこそしたものの、その後のI神戸の決定機をことごとく防ぎきった。湯郷ベルは0-1で迎えた66分、FW有町紗央里が豪快なシュートで同点とした。I神戸はMF南山千明が開幕戦以来の出場を果たしたが、MF澤穂希はコンディション不良でメンバーから外れた。
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日付 | チーム (HOME) |
結果 | チーム (AWAY) |
時間 | 会場 | 観客数 |
4/27(日) | 新潟L | 0-1 | 浦和L | 12:30 | 新発田市五十公野公園陸上競技場 (新潟県) |
1,275人 |
AS埼玉 | 0-1 | 伊賀FC | 13:00 | 埼玉スタジアム2002 第2グラウンド(埼玉県) |
525人 | |
日テレ | 1-1 | 湯郷ベル | 13:00 | 駒沢オリンピック公園 陸上競技場(東京都) |
1,809人 | |
INAC | 0-3 | ジェフL | 13:00 | ノエビアスタジアム神戸 (兵庫県) |
2,909人 | |
吉備国大 | 0-4 | ベガルタ | 13:00 | kankoスタジアム (岡山県) |
916人 | |
なでしこリーグ レギュラーシリーズ 第5節レポートより浦和が新潟Lに競り勝ち5連勝。伊賀FCは今季初白星。 好天に恵まれた大型連休最初の日曜日、プレナスなでしこリーグレギュラーシリーズ第5節が各会場で行われ、6選手が今季初ゴールを挙げた。首位浦和は唯一の開幕5連勝。湯郷ベルは日テレを下して3位に、伊賀FCは今季初勝利で8位にそれぞれ浮上した。
前半は高い得点力を誇る浦和の攻撃陣が躍動した。吉良やMF柴田華絵の細かいドリブルに加え、MF猶本光ら2列目の選手が効果的に飛び出して新潟Lを陣内に押し込む。 この試合唯一の得点は15分。浦和の左サイドバック堂園彩乃からペナルティーエリア内左にクロスが入る。新潟Lの選手がボールコントロールに戸惑っていると、吉良がすかさず奪い、右足でゴール左に流し込んだ。 「今季はいろんな選手が得点しているけれど、自分は1点しか決めていなくて危機感がありました。ラッキーなゴールだけど、チームに勢いを与えられた」と振り返る吉良の今季2得点目だった。 新潟Lは失点からさらに守勢に回ったが、40分頃から反撃に転じ、後半も長い時間ボールを支配。MF斎藤友里のタフな守りから、MF上尾野辺めぐみを経由してFW平井咲奈とFW山崎円美の2トップを軸に攻める。 能仲太司監督は「前半はボールを奪った後のミスが目立ったので、そこで丁寧にプレーしようと後半に臨んだ。そこからマイボールの時間を増やし立て直せた」と、後半に見せた修正力に一定の評価を与えたが、攻撃的な交代カードを切ってもシュート数は伸びなかった。 第3節でリーグ100試合出場を達成し、試合前に記念の花束を受け取った新潟Lの山崎は「最初から自分たちで試合のペースを作ろうと臨みましたが、苦しい時間が続いてしまった」と反省。「次節の後はリーグが一時中断するので、勝ってから中断期間で細かい部分を練習で積み上げたい。落ち込んでいる暇はない」と上を向いた。 浦和を開幕5連勝に導いた吉田靖監督は「前半に追加点を奪えず苦しい試合にしてしまった」と渋い顔をしつつ、「個性のあるサイドバックが多く、誰が出ても遜色無い働きができる。いろんな戦い方ができるのが強み」と、決勝点の起点となった堂園を始めとした戦力の充実が、4戦連続無失点や高い攻撃力につながっていることを実感していた。
後半立ち上がりにも途中出場のMF杉田亜未がPKを決めると、続けざまにFW松長佳恵が追加点。 ここまで3選手が今季初得点を記録すると、76分、再び杉田が決めて突き放した。AS埼玉は前半こそ互角の戦いを見せたものの、後半立ち上がりに2点目を決められて以降、リズムを取り戻せなかった。
湯郷ベルは25分、俊足MF浅野未希が相手を振り切ると、FW松岡実希が今季4点目、リーグ通算30点目となる節目のゴールで先制。その後も湯郷ベルは追加点こそならなかったものの、効果的なパスカットから再三決定機をつかんだ。対する日テレは、シュートわずか3本に抑えられ、4位に後退した。
FW小野瞳のゴールで先制したベガルタは、58分にDF浜田遥が移籍後初ゴールを挙げ突き放すと、その4分後にはMF髙良亮子にも今季初得点が生まれた。髙良は1ゴール1アシスト。チームは合計19本のシュートを浴びせた。また、第2節でケガから復帰したMF嘉数飛鳥が、11か月半ぶりに先発出場を果たした。一方の吉備国大は開幕5連敗。 |
日付 | チーム (HOME) |
結果 | チーム (AWAY) |
時間 | 会場 | 観客数 |
5/3(土) | ジェフL | 2-1 | 日テレ | 12:00 | ゼットエーオリプリスタジアム (千葉県) |
622人 |
5/4(日) | ベガルタ | 1-1 | 伊賀FC | 13:00 | ひとめぼれスタジアム宮城 (宮城県) |
1,602人 |
浦和L | 1-3 | 湯郷ベル | 13:00 | 浦和駒場スタジアム (埼玉県) |
4,289人 | |
AS埼玉 | 1-4 | 新潟L | 13:00 | 鴻巣市立陸上競技場 (埼玉県) |
625人 | |
吉備国大 | 0-5 | INAC | 13:00 | kankoスタジアム (岡山県) |
1,549人 | |
なでしこリーグ レギュラーシリーズ 第6節レポートより浦和の連勝を湯郷ベルが止める。日テレは7位に後退。 各会場とも見事な五月晴れとなった5月3日(土)と4日(日)、プレナスなでしこリーグレギュラーシリーズ第6節が行われた。ともに3試合ぶりの白星を狙う5位・ジェフLと4位・日テレの対決は、好調のMF筏井りさとFW菅澤優衣香の得点でジェフLが競り勝った。首位の浦和は湯郷ベルに敗れ、開幕戦以来の連勝が5でストップした。 今季はレギュラーシリーズ終了後に、上位リーグ・下位リーグに分かれてエキサイティングシリーズが行われるため、6位争いにも注目。現時点では6位にI神戸、7位に日テレがつけている。 なお、5月14日(水)からなでしこジャパンがAFC女子アジアカップに出場するため、リーグ戦は一時中断。第7節は5/31(土)、6/1(日)に行われる。
この日は気温が高く、前後半の中ほどに給水タイムが設けられた。その給水タイムを境に、試合の流れが変わる。水を得たジェフLが日テレのパスを奪い始め、MF安齋結花やMF筏井りさ、FW菅澤優衣香にスムーズな連係が生まれた。すると43分、ジェフLが先制。ドリブルで加速した筏井が、トップスピードのまま右足を振り抜くと、鮮やかにゴールネットを揺らした。高難度の先制弾にスタンドも沸いた。 61分にはFW深澤里沙のクロスを菅澤がダイレクトで合わせて、ジェフLがさらにリードを広げた。追いつめられた日テレはMF小林弥生を試合途中から起用。小林が前線で溜めを作れるようになると、75分に阪口の得点で1点差に。しかし同点弾は遠く、日テレが連敗を喫した。 日テレの寺谷真弓監督は試合後、「中盤でボールを持てない。負けは必然」と厳しく自己評価し、約1か月間の中断期間に「基本的なメンタル面から鍛えなければ」と選手の奮起を促した。ジェフLの三上尚子監督は、勝利を静かに喜びつつ「今後はさらに暑い試合が続くが、そこでもジェフらしく走り勝ちたい」と、6月のリーグ戦再開を見据えた。また、得点ランキングトップの5得点目で勝利を呼んだ菅澤は「日テレという強豪に勝ち切れたのは自信になる」と清々しい表情。「なでしこジャパンでも、試合に出たらゴールを狙う」と誓った。
1年ぶりに代表復帰を果たしたMF川村優理も積極的にゴールを狙い、試合を優位に運んでいた。ところが追いすがる伊賀FCは終了間際の86分、途中出場のなでしこジャパンMF杉田亜未が値千金の同点ゴール。ベガルタは終盤の失点が響き、首位浦和に勝ち点で並ぶことができなかった。
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日付 | チーム (HOME) |
結果 | チーム (AWAY) |
時間 | 会場 | 観客数 |
5/31(土) | 新潟L | 7-0 | 吉備国大 | 12:30 | 十日町市当間多目的グラウンド クロアチアピッチ(新潟県) |
637人 |
ジェフL | 3-1 | AS埼玉 | 13:30 | 習志野市秋津サッカー場 (千葉県) |
891人 | |
6/1(日) | 日テレ | 0-2 | 浦和L | 13:00 | 味の素フィールド西が丘 (東京都) |
2,463人 |
伊賀FC | 0-1 | INAC | 13:00 | 上野運動公園競技場 (三重県) |
2,103人 | |
湯郷ベル | 2-1 | ベガルタ | 13:00 | 津山陸上競技場 (岡山県) |
2,348人 | |
なでしこリーグ レギュラーシリーズ 第7節レポートよりI神戸が今季初の連勝。浦和は首位キープ。各地でなでしこが咲き誇る。 プレナスなでしこリーグレギュラーシリーズ第7節は5月31日(土)、6月1日(日)、各地にAFC女子アジアカップ2014の新チャンピオンとなったなでしこジャパンのメンバーが登場し、5試合が行われた。注目は昨季4冠の王者I神戸と昨季4位の伊賀FCとの対戦。I神戸は現在6位、伊賀FCは8位と序盤戦で出遅れたものの、リーグ戦が中断していた約1か月の間にどこまで立てなおしを図れたかが問われる一戦となった。
試合開始13時時点の気温28.6度と、過酷な暑さの中で始まった試合は、チームコンセプトである前線からの連動した守備で伊賀FCが主導権を握る。「INACのディフェンスは裏に弱い」というFW小川志保が、背後のスペースを積極的に狙い、相手を混乱させた。対するI神戸はロングボールを駆使して伊賀FCのプレスをかいくぐろうとするが、ボールの出どころにプレッシャーをかけられパスの精度を欠き、チャンスを作り出すことができない。前半は伊賀FCペースのまま0−0で終えた。 後半、I神戸は中島をトップ下に配置転換し、同時にFW増矢理花に代えてMF伊藤美紀、FW京川舞に代えMF仲田歩夢を投入。「自分たちのストロングポイントであるサイドを活性化させた」(前田浩二監督)ものの、チャンスを得点に結びつけられずこう着状態が続いた。 71分には伊賀FCのDF宮迫たまみからのクロスを、杉田がジャンピングボレーであわせる。決定的な場面だったが、I神戸のGK海堀が反応。千載一遇のチャンスを逃した伊賀FCキャプテン那須麻衣子は「DFを崩すところまでは出来たが、決めきれなかった。海堀さんのすごさをあらためて感じた」と悔しがった。すると80分、I神戸が先制。スローインの瞬間に伊賀FCの集中力が途切れたところを、伊藤とのワンツーでするすると抜け出したMF南山千明がゴール前にクロスを送る。ボールは、ゴール前に詰めた仲田の脇を抜けそのままゴールに吸い込まれた。伊賀FCは小川、杉田、そして約半年ぶりにピッチへ復帰したFW園村奈菜を中心に反撃を仕掛けるが、海堀の相次ぐ好セーブに阻まれた。 0−1で敗れた伊賀FCの浅野哲也監督は「どちらが勝ってもおかしくなかった。疲れてきた時間帯に、最後は個々のスキルが勝敗を分けた」と悔しさをにじませながらも「選手の姿勢には満足している」と評価した。一方のI神戸・前田監督は「今季初めての連勝で、選手は勝者のメンタリティーを取り戻したのではないか」と前向き。決勝ゴールの南山も「苦しい試合を勝ちきれたのは、自信にしてもよい」と話した。両チームともに順位の変動はないが、今後の巻き返しを予感させる試合となった。
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日付 | チーム (HOME) |
結果 | チーム (AWAY) |
時間 | 会場 | 観客数 |
6/7(土) | ベガルタ | 1-2 | 新潟L | 13:00 | 角田市陸上競技場 (宮城県) |
1,866人 |
AS埼玉 | 1-4 | 湯郷ベル | 15:00 | NACK5スタジアム大宮 (埼玉県) |
652人 | |
6/8(日) | 浦和L | 1-0 | ジェフL | 13:00 | 浦和駒場スタジアム (埼玉県) |
1,774人 |
INAC | 2-3 | 日テレ | 13:00 | ノエビアスタジアム神戸 (兵庫県) |
5,606人 | |
吉備国大 | 3-3 | 伊賀FC | 13:00 | 笠岡陸上競技場 (岡山県) |
606人 | |
なでしこリーグ レギュラーシリーズ 第8節レポートより3強がそろって勝利。吉備国大は今季初の勝ち点獲得。 プレナスなでしこリーグレギュラーシリーズ第8節は、6月7日(土)、8日(日)に各地で5試合を行った。浦和、湯郷ベル、新潟Lの上位3強はそろって勝利。昨季1・2位の対決は日テレがI神戸を破った。開幕7連敗中だった吉備国大は伊賀FCを相手に今季初の勝ち点1を挙げた。なお、伊賀FCのMF堤早希とAS埼玉のFW荒川恵理子の2人が、それぞれ史上24人目、25人目となるリーグ通算200試合出場の偉業を達成した。
それに対して湯郷ベルは、27分にMF中野真奈美が獲得したPKをMF宮間あやが冷静に決めて先制。42分には宮間のFKに、FW松岡実希がヘディングで合わせ2−0。後半にも宮間の縦パスに中野、そして再び宮間がPKを決め、着々とリードを広げていった。 結局、ホームのAS埼玉は1−4で敗れ、6連敗。結果はついてこなかったが、内容的に下を向くものではなかった。14本ものシュートを放ち、ゲームを支配する時間帯も多かった。攻撃の牽引役を担うベテランの伊藤は、敗戦の悔しさをにじませつつも、「チームは少しずつ良くなっていると思う。できたことの質を上げていきたい」と、力強く語った。 一方の湯郷ベルは4連勝で首位と勝ち点差3の2位をキープ。4得点すべてに絡んだ宮間は「勝ったことをプラスに考え、支配しきれなかったことを修正していきたい。新潟L戦でもう一度トライしていきたいと思います」と、次戦に目を向けていた。
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日付 | チーム (HOME) |
結果 | チーム (AWAY) |
時間 | 会場 | 観客数 |
6/14(土) | 浦和L | 1-1 | ベガルタ | 13:00 | 浦和駒場スタジアム (埼玉県) |
2,313人 |
6/15(日) | 新潟L | 1-1 | 湯郷ベル | 13:00 | 新発田市五十公野公園陸上競技場 (新潟県) |
1,385人 |
吉備国大 | 0-4 | 日テレ | 13:00 | 津山陸上競技場 (岡山県) |
590人 | |
ジェフL | 3-2 | 伊賀FC | 14:00 | 東金アリーナ陸上競技場 (千葉県) |
651人 | |
AS埼玉 | 1-3 | INAC | 15:00 | NACK5スタジアム大宮 (埼玉県) |
1,887人 | |
なでしこリーグ レギュラーシリーズ 第9節レポートより浦和、劇的ゴールで首位キープ。I神戸は5位に浮上。 6月14日(土)、15日(日)に渡り、プレナスなでしこリーグレギュラーシリーズ第9節が行われた。5試合合計17ゴールのうち5ゴールが80分すぎに生まれ、同点劇、逆転劇が相次ぎ、まさしく“最後まであきらめない”なでしこらしいプレーが各地で展開された。結果、浦和は首位でレギュラーシリーズ前半を折り返し、I神戸は5位に浮上。ベガルタは7位に後退した。
一方、ホームのジェフLは相手の強いプレスと自らのパスミスから、なかなかリズムを作れない。そこで三上尚子監督は「全体的なバランスと流れを変えたかった」として前半のアディショナルタイムにMF筏井りさからMF安齋結花への交代を指示。すると足元へのパスに終始していた攻撃に、安齋のドリブルがアクセントとして加わり、試合の流れを引き寄せた。 反撃の口火は54分。CKからDF千野晶子が頭で合わせて1点差。さらに「いい形で点が取れて、リズム良く行けたので負ける気はしなかった」と試合中に手応えを深めたとおり、84分には“必ずチャンスがくる”と味方を信じてゴール前に詰めていたFW深澤里沙が、味方のシュートのこぼれ球に素早く反応し、同点とした。そしてドローがちらつき始めた後半アディショナルタイム3分、FW菅澤優衣香が決勝点を決め、0-2からの逆転劇に幕を降ろした。 敗れた伊賀FCの大型新戦力 ケロンド・ナイトは「貴重なゴールを挙げた試合を落とし、がっかりしている」と語り、勝ち星をつかみ損ねたことに肩を落とした。 なお、試合終了後にはリーグ通算100試合出場達成のMF保坂のどかと、同150試合出場達成の深澤の表彰式が行われ、東金アリーナにつめかけたファン、サポーターからは惜しみない拍手が送られていた。
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日付 | チーム (HOME) |
結果 | チーム (AWAY) |
時間 | 会場 | 観客数 |
6/21(土) | 湯郷ベル | 3-1 | ジェフL | 13:00 | 美作ラグビー・サッカー場 (岡山県) |
1,689人 |
6/22(日) | 浦和L | 2-0 | 伊賀FC | 13:00 | 熊谷スポーツ文化公園 陸上競技場(埼玉県) |
1,301人 |
INAC | 3-1 | ベガルタ | 13:00 | ノエビアスタジアム神戸 (兵庫県) |
3,014人 | |
吉備国大 | 2-7 | AS埼玉 | 13:00 | 津山陸上競技場 (岡山県) |
516人 | |
日テレ | 5-0 | 新潟L | 14:00 | 大和市営大和スポーツセンター 競技場(神奈川県) |
1,028人 | |
なでしこリーグ レギュラーシリーズ 第10節レポートより5会場で合計24ゴール。日テレとI神戸が浮上。 プレナスなでしこリーグレギュラーシリーズは6月21日(土)と22日(日)、対戦2巡目のスタートとなる第10節を行い、5試合で合計24ゴールが生まれた。華々しいゴールラッシュは、さながら季節を先取りした打ち上げ花火のようだ。注目の順位争いは、1位浦和、2位湯郷ベルに変化なく、3位には日テレ、4位にはI神戸がそれぞれ浮上した。
大量得点の呼び水となる先制点を挙げたFW嶋田千秋は「個人的には久々のゴールで嬉しいです。あの得点で徐々に攻撃の流れができたと思います」と開幕戦以来のゴールに白い歯を見せる。岩清水も「精神的に辛い時がありましたが、いろんな選手が活躍して今はすごくいい状態」と、3連敗後の3連勝に確かな手応えを感じている様子だ。また途中出場で2得点の小林(弥)は、6位から3位にジャンプアップしたことを受け「なでしこジャパンがアジアカップを勝ち進んでいる間、私たちもグラウンドで激しい練習をしてきました。今日のような試合を続けていきたいです」と、レギュラーシリーズ後期での巻き返しを宣言した。 一方の新潟Lは、FW大石沙弥香やMF上尾野辺めぐみの周辺で起点を作れず完敗で5位に転落。得点ランクトップのFW山崎円美らを投入した後半立ち上がりは盛り返したが、長くは続かなかった。大和市のクラブチーム出身である上尾野辺にはスタンドから大きな声援が送られたが「今季一番うまくいかない試合でした。受け身になりすぎ、何も残すことができませんでした」と肩を落とし、次節以降に同じ失敗を繰り返さないことを誓った。
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日付 | チーム (HOME) |
結果 | チーム (AWAY) |
時間 | 会場 | 観客数 |
6/28(土) | ベガルタ | 0-1 | 日テレ | 13:00 | ユアテックスタジアム仙台 (宮城県) |
2,860人 |
ジェフL | 4-2 | 吉備国大 | 13:30 | 習志野市秋津サッカー場 (千葉県) |
356人 | |
AS埼玉 | 1-1 | 浦和L | 15:00 | NACK5スタジアム大宮 (埼玉県) |
1,645人 | |
新潟L | 0-2 | INAC | 16:30 | 新発田市五十公野公園陸上競技場 (新潟県) |
1,209人 | |
6/29(日) | 伊賀FC | 1-3 | 湯郷ベル | 14:00 | 上野運動公園競技場 (三重県) |
1,162人 |
なでしこリーグ レギュラーシリーズ 第11節レポートより湯郷ベル、首位の浦和に肉薄。追う日テレとI神戸は連勝キープ。 プレナスなでしこリーグは6月28日(土)、29日(日)にレギュラーシリーズ第11節を行った。首位の浦和がAS埼玉と引き分け、2位の湯郷ベルが伊賀FCに勝利したため、1位と2位の勝ち点差がついにゼロとなった。また、日テレは4連勝、I神戸は3連勝を飾り、こちらも勝ち点差ゼロの3位と4位。逆転首位を狙う追撃態勢をキープした。
ベガルタは前節から先発メンバーを3人入れ替えた。「外れた人のぶんも、支えてくれた人のぶんも、自分にできることを全力でして点を取りたかった」と語るFW小山季絵を中心に高い位置でボールを動かして試合を有利に進めたが、ゴールは割れなかった。ベガルタの攻撃をしのいだ日テレは、MF阪口夢穂とMF原菜摘子のボランチがボールを散らせるようになった10分頃から反撃を開始。しかしベガルタの堅守に阻まれる。 我慢比べの展開で前半を終えると、後半に攻勢に出たのは日テレ。しかし50分にCKからDF岩清水梓が、54分に左サイドからMF長谷川唯が放ったシュートはいずれも枠に当たった。逆に60分、前がかりになった裏をベガルタFW小野瞳に突かれてピンチになったが、これはGK曽山加奈子の好守で食い止めた。 そして、このまま引き分けかと思われた後半アディショナルタイム、日テレ・寺谷真弓監督が途中からピッチに送りこんだ2選手が仕事を果たす。MF小林弥生がCKを近いサイドに蹴ると、その先にいたのは「自分にマークがついていなかったので、狙っていました」というFW田中美南。ベガルタGK齊藤彩佳もセーブのために出ていたが、それより早く田中の頭がボールに触れ、ゴールに押しこんだ。 最後の最後に勝ち点3を得た日テレ。「自分たちの良さを消されたし、ベガルタの動きも良くて、苦しい試合でした。そこを耐えて最後に決める力がついたのは大きかった」とキャプテン岩清水は振り返る。連勝を4に伸ばした一方、「これから、前回勝てなかった相手との対戦が続くので、もう一度気を引き締めたい」(岩清水)とさらに上を目指す。 一方のベガルタはこれで6試合勝利がない。奮戦した今季初先発のGK齊藤も「(失点は)いちばん持ちこたえなければいけない時間帯でした」と反省する。「まずは勝つことで流れを変えたい」という小野の言葉通りの結果を出したいところだ。
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日付 | チーム (HOME) |
結果 | チーム (AWAY) |
時間 | 会場 | 観客数 |
7/6(日) | AS埼玉 | 1-2 | ベガルタ | 15:00 | 川越運動公園陸上競技場 (埼玉県) |
1,253人 |
日テレ | 2-1 | 伊賀FC | 15:00 | 多摩市陸上競技場 (東京都) |
945人 | |
吉備国大 | 0-3 | 浦和L | 16:00 | kankoスタジアム (岡山県) |
1,245人 | |
新潟L | 1-0 | ジェフL | 16:30 | 新発田市五十公野公園陸上競技場 (新潟県) |
794人 | |
INAC | 1-2 | 湯郷ベル | 16:00 | 南城市陸上競技場 (沖縄県) |
2,301人 | |
なでしこリーグ レギュラーシリーズ 第12節レポートより湯郷ベル、I神戸との熱戦を制す。ベガルタは7試合ぶりの勝利。 プレナスなでしこリーグレギュラーシリーズの第12節は、5試合すべて7月6日(日)に開催された。リーグ史上初の沖縄開催となったI神戸対湯郷ベルの上位対決は、気温35℃を超える熱戦となった。3位の日テレは、伊賀FCからリーグ戦3年ぶりの勝利。ベガルタは7試合ぶりの勝利を飾った。
試合はI神戸ペースで進んだ。左FWで4試合連続スタメンとなった田中陽子にボールが集まり、田中は個人技で前進を図る。また、トップ下のMF増矢理花も、相手が捕まえにくいポジショニングでボールを引き出す。 ところが、先制は湯郷ベル。15分、左サイドで得たFKからMF宮間あやが上げたボールは、クリアを試みたI神戸DFクレア ポーキンホーンの足先をわずかに抜けて直接ゴールに吸い込まれる。一方、I神戸は右サイドバックのDF三宅史織のクロスをFW髙瀬愛実が豪快なヘッドで叩き込んだかに見えたが、判定はオフサイド。相手を崩しているものの、スコアに結びつかないまま前半を終えた。 両チームともにメンバー交代のないまま後半に入ると、54分にI神戸は田中のアシストで髙瀬がゴール。髙瀬の5試合連続ゴールで同点に追いつき、追撃態勢に入りかけたが、流れを寸断するように、湯郷ベルが再び得意のセットプレーから突き放す。69分、宮間のCKに反応したFW松岡実希が「みんなで取りに行ったCK。練習どおりに決められてよかったです」というヘディングシュートが鮮やかに決まり、これが決勝点となった。 「厳しい試合だった。セットプレーで結果を出せてよかったけれど、課題も見えた」と湯郷ベル・種田監督が振り返れば、I神戸・前田監督は「ゲームは支配したけれど…」と唇を噛み締めた。
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日付 | チーム (HOME) |
結果 | チーム (AWAY) |
時間 | 会場 | 観客数 |
7/12(土) | ジェフL | 1-0 | INAC | 18:00 | ゼットエ―オリプリ スタジアム(千葉県) |
1,091人 |
7/13(日) | ベガルタ | 8-0 | 吉備国大 | 15:00 | 仙台市陸上競技場 (宮城県) |
1,482人 |
湯郷ベル | 0-4 | 日テレ | 15:00 | 島根県立浜山公園陸上競技場 (島根県) |
3,034人 | |
伊賀FC | 4-1 | AS埼玉 | 16:00 | 鈴鹿スポーツガーデン (三重県) |
466人 | |
浦和L | 0-2 | 新潟L | 17:00 | 浦和駒場スタジアム (埼玉県) |
1,934人 | |
なでしこリーグ レギュラーシリーズ 第13節レポートより浦和、湯郷ベルがともに敗れ、上位勢が再接近。4〜7位も勝ち点差3にひしめく。 プレナスなでしこリーグ2014レギュラーシリーズ第13節が7月12日(土)、13日(日)に開催された。新潟Lは浦和に完勝し4位に再浮上。3位の日テレは2位の湯郷ベルを破り、勝ち点29で並ぶ1位・2位に勝ち点差3と詰め寄った。また、エキサイティングシリーズ上位リーグ・下位リーグを分ける6位・7位争いも再燃。ジェフLに5シーズンぶりに敗れた6位I神戸と、吉備国大から8得点を挙げた7位ベガルタが勝ち点で並び、得失点差も1差と急接近した。
立ち上がりのプレーを一つのポイントに挙げ、「前半は0−0で終えたい。先に点が取れればなおよし」(能仲太司監督)とにらんでいた新潟Lが、前半2分に早くも先制する。わずかに追い風を受ける敵陣やや右からのFKを得ると、MF上尾野辺めぐみが「枠に向かって蹴った」というボールは相手GKの手前でワンバウンドし、ゴールに吸い込まれた。 新潟Lは17分にMF阪口萌乃、FW大石沙弥香が立て続けに決定的なシュートを放ち、相手に渡しかけた流れを取り戻すと、26分には右からのCKを「練習どおりだった」と語る上尾野辺が直接決めて追加点。呆気にとられた浦和は、アクシデントにも見舞われた。キャプテンのFW後藤三知が右ふくらはぎを痛めてピッチを退き、切り札のFW清家貴子を早くも投入することになった。 前半途中で2−0とした新潟Lは、ここから落ち着いてゲームを運ぶ。相手ボールの局面では無闇に足を使わず、密集の中に相手を誘導してボールを絡めとる。マイボールになれば上尾野辺が自陣まで下がってボールをさばき、3点目を狙って攻め急ぎがちな仲間をなだめるようにペースダウンさせ、ハーフタイムまで危なげなく時計の針を進めた。 後半に入ると同時に、浦和は吉良に代えてFW大滝麻未を投入。前線に大きな的ができたことで浦和の攻撃はシンプルに縦を狙うように変化した。新潟LのDF陣に跳ね返されても、またボールを拾っては二次攻撃、三次攻撃を繰り出す浦和に、追撃のゴールの予感が漂い始めた。決定機は61分、MF猶本光の鋭いセンタリングに反応した大滝が左足の豪快なボレーシュートで合わせたが、ボールは惜しくも枠の外。結局、浦和が後半だけで11本のシュートを打ったのに対し、新潟LはMF高橋悠のミドル1本と一方的な展開になったものの、ゴール前で体を張り続けた新潟Lが、ついにゴールを割られることなく勝ちきった。 この試合で特筆すべきは、やはり上尾野辺の存在感だ。セットプレーでの鮮やかな2得点に限らず、チーム全体に落ち着きを与えるクールな状況判断や、ボールが相手に渡ると同時に奪い返す切り替えの早さなどで、勝負を完全に掌握してみせた。 一方、敗れた浦和の吉田監督は試合後、「チャンスは作れたが決定力が足りなかった」と振り返りながら、次節に控える湯郷ベルとの首位決戦について「順位のことを気にせず、チャレンジャーの気持ちで臨みたい」と気を引き締めた。
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日付 | チーム (HOME) |
結果 | チーム (AWAY) |
時間 | 会場 | 観客数 |
7/19(土) | 日テレ | 0-0 | ジェフL | 16:00 | ひたちなか市総合運動公園 陸上競技場(茨城県) |
745人 |
湯郷ベル | 1-4 | 浦和L | 17:00 | 津山陸上競技場 (岡山県) |
2,310人 | |
7/20(日) | 伊賀FC | 0-1 | ベガルタ | 15:30 | 上野運動公園競技場 (三重県) |
675人 |
新潟L | 1-2 | AS埼玉 | 16:30 | 新潟市陸上競技場 (新潟県) |
1,365人 | |
INAC | 6-0 | 吉備国大 | 18:00 | ノエビアスタジアム神戸 (兵庫県) |
3,279人 | |
なでしこリーグ レギュラーシリーズ 第14節レポートより首位決戦は浦和が完勝。4位から7位は勝ち点で並ぶ大混戦。 プレナスなでしこリーグレギュラーシリーズが、第14節は7月19日(土)と20日(日)に各地で開催された。浦和と湯郷ベルの1位・2位直接対決は、U−18代表FW清家の2ゴールなどで浦和に軍配が上がった。またエキサイティングシリーズ上位リーグへの進出条件となる「6位以内」をめぐる攻防も激化。4位I神戸から7位ジェフLまでが勝ち点23で並ぶ大混戦となった。なお、8位AS埼玉と9位伊賀FCは、エキサイティングシリーズ下位リーグ行きが確定した。
浦和はウォーミングアップ直前に円陣を組んだ。「私は絶対勝とうという気持ちだったし、みんなからも同じ気持ちを感じた」と語るのは、先のU−18日本女子代表でも大活躍したFWの清家貴子だ。清家はこの日、怪我で出場を見送られたFW吉良千夏に代わって先発出場。また、左サイドバックとして今季2度目の先発を告げられたDF和田奈央子も、「大事な首位決戦でスタメンになり、やってやろうという強い気持ちが湧いた」という。その清家と和田が期待に応え、2人で3得点に絡む活躍でチームを勝利に導いた。 浦和は4分に先制を許したが、すぐに反撃。7分、右CKで「ファーサイドを狙った」和田のキックが相手DFのオウンゴールを誘い、浦和があっという間に追いついた。 早い時間帯に双方が得点を挙げたこともあり、前半はお互いが積極的にゴールへ迫る、目を見張る攻防が続いた。11分に浦和の清家が完全に抜け出すも、湯郷ベルGK福元美穂が後ろへ下がりながら左手1本ではじき出すビッグセーブ。浦和はその後、31分の和田のロングシュートがゴールポストを直撃するなど、なかなか追加点を奪えない。対する湯郷ベルは、左右のサイドMF中野真奈美と浅野未希がボールを引き出し、39分に中野、42分にFW松岡実希が決定的なシュートを放つも、勝ち越せないまま前半を終了した。 後半に入り、「もっと中盤のエリアを使ってパスをつなごう」(和田)という意識を再確認した浦和がボールを支配しはじめる。すると56分、左から右、そしてゴール前中央へと折り返されたクロスを清家が決めて2−1。浦和が逆転に成功した。 流れを取り戻したい湯郷ベルは、左MFの中野が右に流れて浅野に接近。右サイドから2人がかりで崩す作戦に出た。しかしこの局面で浦和の和田が、1対2の状況に置かれたものの、防ぐべきパスコースに優先順位を付けながら落ち着いて対応。相手の秘策を封じ込めた。 浦和は75分、湯郷ベル・MF宮間あやにペナルティエリア付近でFKを与えるピンチをしのぐと、5バックの布陣に変更し、湯郷ベルの反撃を断ち切った。そして終盤には、総攻撃を仕掛ける相手の背後を突いて2点を加え、完勝を飾った。 「怪我人が多く苦しい状況だが、チームみんなの力で乗り切りたい」と決戦前に語っていた吉田靖監督の言葉どおり、浦和は抜擢された清家、和田らの活躍で首位を守った。
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日付 | チーム (HOME) |
結果 | チーム (AWAY) |
時間 | 会場 | 観客数 |
7/26(土) | ベガルタ | 1-1 | 湯郷ベル | 15:00 | 仙台市陸上競技場 (宮城県) |
1,461人 |
浦和L | 0-0 | 日テレ | 17:00 | 浦和駒場スタジアム (埼玉県) |
1,957人 | |
7/27(日) | INAC | 2-1 | 伊賀FC | 16:00 | 熊本市水前寺競技場 (熊本県) |
4,069人 |
吉備国大 | 1-5 | 新潟L | 16:00 | 津山陸上競技場 (岡山県) |
570人 | |
AS埼玉 | 4-2 | ジェフL | 17:00 | 熊谷スポーツ文化公園 陸上競技場(埼玉県) |
396人 | |
なでしこリーグ レギュラーシリーズ 第15節レポートより浦和がエキサイティングシリーズ上位リーグ進出決定。I神戸は薄氷の勝利。 プレナスなでしこリーグレギュラーシリーズ第15節は、7月26日(土)と27日(日)に各地で開催された。首位・浦和対3位・日テレの一戦は、白熱のドローゲームとなった。勝ち点23で並ぶ4〜7位の4チームは、I神戸と新潟Lが勝利、ベガルタは引き分け、ジェフLが敗戦した。 なお、7位ジェフLが残り3試合に全勝しても勝ち点32にとどまるため、現時点で勝ち点33を積み上げた浦和が、エキサイティングシリーズ上位リーグへの出場を一番乗りで確定させた。 また今節はAS埼玉のMF伊藤香菜子がリーグ通算200試合、伊賀FCのMF清原万里江が同100試合出場を達成。2人とも過去に一度、競技を離れる経験をした後、再起を果たしたうえで、この節目の日を迎えた。
最初のビッグチャンスは3分、浦和に訪れた。「中盤で後手を踏むと、日テレに持ち味を出されてしまう。けれど、そこをつぶせれば、私たちがペースをつかめる」と語るMF猶本光が、日テレMF原菜摘子の足元からボールを奪い取りミドルシュート。強烈なキックは枠を捉えたが、日テレGK曽山加奈子が鋭い反応ではじき出した。浦和は10分にも高い位置でボールを奪い、速攻に転じたが、MF加藤千佳のシュートはジャストミートしなかった。 序盤をしのいだ日テレは、20分前後から徐々にペースをつかみ始める。トップ下に位置するFW籾木結花が絶妙なポジショニングでパスを引き出す。攻撃が手詰まりになりそうな場面では必ず、原またはMF阪口夢穂がサポートし、浦和のプレッシングを空振りさせる。ところが、「ボールを回せていたぶん、失わないようにと、大事に行き過ぎてしまった」と寺谷真弓監督が振り返るとおり、決定的なシーンには遠かった。「特に後半は背後に走り込める選手がいなくなった。もう少しサイドからえぐったりできればよかった」(同)。酷暑のピッチを走り回った体力的ダメージは、予想以上に大きかったようだ。 浦和が3人を、日テレが2人を交代させて突入した終盤には、再び浦和が盛り返した。終了間際、途中出場のMF齊藤あかねがフリーな状態でシュートを放つも、惜しくも枠を外した。 結局、試合は0−0のままタイムアップ。浦和のDF高畑志帆は試合後、「籾木選手にボールが入った時、センターバックとボランチで連携して、自由にさせないように努めました」と、無失点の手応えを語った。 一方、日テレの寺谷監督からは「今日勝てれば(レギュラーシリーズ1位フィニッシュに向けて)チャンスが広がったし、リーグを面白くすることもできたと思うので、残念です。悪い結果ではないですが、もったいない」と、悔しさがこぼれ出た。それでもDF岩清水梓は「どん底の3連敗(第5節から第7節)から自分たちを見つめ直して、今はみんなで試行錯誤している。その過程は充実しています」と、現状を前向きに捉え、次に向かう意欲を示した。
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日付 | チーム (HOME) |
結果 | チーム (AWAY) |
時間 | 会場 | 観客数 |
8/2(土) | 湯郷ベル | 2-1 | AS埼玉 | 17:00 | 津山陸上競技場 (岡山県) |
987人 |
ジェフL | 0-0 | 浦和L | 18:00 | フクダ電子アリーナ (千葉県) |
2,308人 | |
日テレ | 2-1 | INAC | 18:00 | 味の素フィールド西が丘 (東京都) |
2,283人 | |
8/3(日) | 伊賀FC | 3-0 | 吉備国大 | 15:00 | 上野運動公園競技場 (三重県) |
575人 |
新潟L | 1-0 | ベガルタ | 16:30 | 新発田市五十公野公園 陸上競技場(新潟県) |
870人 | |
なでしこリーグ レギュラーシリーズ 第16節レポートより日テレがI神戸との大一番を制し、上位3強が急接近。新潟Lは今季5度目の無失点勝利を飾る。 プレナスなでしこリーグレギュラーシリーズ第16節は、8月2日(土)、3日(日)に各地で行われ、ホームで勝利を収めた湯郷ベル、日テレ、新潟Lの3チームがレギュラーシリーズ6位以内を確定させ、エキサイティングシリーズ上位リーグに駒を進めた。同時に、リーグ3連覇中のI神戸はレギュラーシリーズ3位以下が確定した。首位・浦和はジェフLを相手に主導権を奪えず、2試合連続で0−0の引き分け。第16節の結果、上位勢は首位・浦和(勝ち点34)、2位・湯郷ベル(勝ち点33)、3位・日テレ(勝ち点31)と、大詰めに来てまたまた急接近した。
最初に主導権を握ったのは、2連勝中のI神戸だった。前田浩二監督は「日テレはリーグの中でもボールを持てるチーム。そのストロングポイントを消すために、3-4-3のシステムで2試合戦ってきた」と、この試合に賭けていたことを明かした。実際、4分にFW髙瀬愛実がGKと1対1となりシュートを放つなど、積極的な攻撃は目を見張った。一方の日テレは、GK曽山加奈子のビッグセーブなどで対抗。攻撃陣も持ち前のパスワークで攻めたが、シュートはわずか2本と、決定的なシーンを作れなかった。 ハーフタイムに寺谷真弓監督から「勝ちたい気持ちを出さなければ」と檄を飛ばされた日テレは、後半に入り攻撃の厚みを増した。有吉佐織と清水梨紗の両サイドバックも積極的に攻め上がり、相手に揺さぶりをかける。勢いに押され始めたI神戸は63分、流れを変えようとMF増矢理花とFW伊藤美紀を同時に投入するも、結果的には攻守のバランスが崩れ、采配は裏目に出た。 直後の64分、日テレはMF原菜摘子の右からのクロスを、ファーサイドで待ち受けたFW田中美南がヘッドで決めてついに先制。3分後には敵陣中央でボールを受けたMF籾木結花が、ダブルタッチで相手をかわして豪快なミドルシュートを叩き込み、あっという間に2−0。籾木のスーパーゴールを目にした瞬間、2000人を超える観客は大きく湧いた。 反撃を試みるI神戸は終了間際、交代出場のMF仲田歩夢の得点で一矢報いたが、あと一歩及ばなかった。結局、I神戸は勝ち点を伸ばせず5位に転落。MF澤穂希は「(エキサイティングシリーズ上位リーグ進出に向けて)あと1試合も落とせないところまできてしまった」と苦しい胸の内を明かした。 日テレは勝ち点を31に伸ばし、エキサイティングシリーズの上位リーグ進出を確定させた。首位との勝ち点差を3に縮めたうえ、レギュラーシリーズ残り2試合が下位チームとの対戦となるため、逆転1位フィニッシュの可能性も見えてきた。「ここまできたら、頂点を狙いたい」と、寺谷監督は意欲をみなぎらせた。
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日付 | チーム (HOME) |
結果 | チーム (AWAY) |
時間 | 会場 | 観客数 |
8/9(土) | 伊賀FC | 1-1 | ジェフL | 16:00 | 鈴鹿スポーツガーデン (三重県) |
210人 |
日テレ | 3-0 | 吉備国大 | 18:00 | Shonan BMW スタジアム平塚 (神奈川県) |
399人 | |
8/10(日) | ベガルタ | 0-0 | 浦和L | 15:00 | 仙台市陸上競技場 (宮城県) |
1,422人 |
湯郷ベル | 0-1 | 新潟L | 15:00 | 美作ラグビー・サッカー場 (岡山県) |
1,143人 | |
INAC | 0-1 | AS埼玉 | 17:00 | ノエビアスタジアム神戸 (兵庫県) |
2,361人 | |
なでしこリーグ レギュラーシリーズ 第17節レポートより浦和、湯郷ベルが足踏み。4強が勝ち点3差にひしめく、空前の混戦に。 プレナスなでしこリーグレギュラーシリーズ第17節は、8月9日(土)、10日(日)、台風11号の影響を受ける地域もありながら、全試合無事に開催された。仙台に乗り込んだ首位の浦和は0−0で引き分け、今節でのレギュラーシリーズ優勝を決めることはできなかった。また、湯郷ベルが敗れ、日テレが勝ったため、日テレが2位に浮上。4位の新潟Lまでが優勝の可能性を残して最終節に突入することとなった。なお、5〜7位争いも大混戦。I神戸、ベガルタ、ジェフLは今節いずれも勝ち星をつかめず、エキサイティングシリーズ上位リーグ進出の決定は、最終節に持ち越された。
台風の影響で、両チームは水を含んだピッチと強風に苦しんだ。「シンプルに前に(ボールを)運ぼうとした」と語るのは、ベガルタのキャプテン、GK齋田由貴。そのプランどおり、FW小野瞳と浜田遙の2トップにボールを集めて浦和ゴールに迫るが、5分のMF田原のぞみのシュートも、14分の浜田のヘディングも、惜しくも枠を外れた。35分にはDF佐々木繭のクロスに浜田が頭で合わせたが、これはオフサイドでゴールにはならなかった。 浦和は「拮抗したゲームでは、ちょっとしたことで勝敗が決まってしまう。ひとつひとつのプレーに対して、声をかけ合いながら集中することを徹底しました」(FW後藤三知)と相手の攻撃をしのいで、逆に前半の終盤には連続でCKを取り、ベガルタのゴールをおびやかす。 さらに浦和は後半開始から2選手を投入し、左サイドを修正。ベガルタの田原らに突破を許した部分の守備を強化すると、長身FW大滝麻未を起点に押しこむ。しかしベガルタは山本りさをはじめとするDF陣が、難しいコンディション下でもファウルせずに相手のボールを奪い、齋田もクロスを確実に処理した。 試合はこのままスコアレスで終了。浦和は3試合連続で0−0となった。足踏みが続いているが、「ホームでの最終節で自力優勝のチャンスができたということは嬉しい」と吉田靖監督はとらえた。「今日は決定的な場面を外してしまいもったいなかったので、次は決めたい」と、MF猶本光も次節の活躍を誓った。 勝てなかった悔しさもありながら前を向くのは、「実りある引き分け」ととらえたベガルタの千葉泰伸監督も同じ。この試合では勝利を目指しつつ、次節のことを考えれば引き分け狙いに切り替えることも指揮官はチームに話していた。次節は引き分け以上で上位リーグ進出が決まる。「迷いなく、自信を持って試合に入るための準備」(齋田)を進めて、最終節にのぞむ。
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日付 | チーム (HOME) |
結果 | チーム (AWAY) |
時間 | 会場 | 観客数 |
8/16(土) | ジェフL | 2-0 | ベガルタ | 18:00 | ゼットエーオリプリスタジアム (千葉県) |
1,189人 |
吉備国大 | 0-7 | 湯郷ベル | 18:00 | kankoスタジアム (岡山県) |
2,999人 | |
AS埼玉 | 3-3 | 日テレ | 18:00 | 熊谷スポーツ文化公園 陸上競技場(埼玉県) |
621人 | |
8/17(日) | 浦和L | 0-1 | INAC | 17:00 | 浦和駒場スタジアム (埼玉県) |
5,126人 |
新潟L | 0-1 | 伊賀FC | 17:00 | 新潟市陸上競技場 (新潟県) |
881人 | |
なでしこリーグ レギュラーシリーズ 第18節レポートより湯郷ベル、発足以来初のリーグタイトル。エキサイティングシリーズ上位リーグ最後の椅子はジェフLに。 プレナスなでしこリーグレギュラーシリーズ第18節は、各地で熱いゲームが繰り広げられた。優勝争いは最後まで大混戦となった。8月16日(土)同時刻に行われた2試合の結果、日テレの優勝の可能性が消滅、前節3位に沈んだ湯郷ベルが暫定首位に。そして17日(日)に浦和がI神戸に敗れたため、湯郷ベルの優勝が決まった。湯郷ベルは2001年に岡山県美作市に発足して以来、初のリーグタイトルを獲得。賞金300万円と、国際女子サッカークラブ選手権への出場権を手中に収めた。 エキサイティングシリーズの上位・下位リーグの境界線となる「6位」を挟んで、直接対決したベガルタとジェフLの一騎打ちは、2−0でジェフLが制した。 この結果、最終順位は下記のとおり確定した(カッコ内は最終勝ち点)。 1位:湯郷ベル(36) 2位:日テレ(35) 3位:浦和(35) 4位:新潟L(32) 5位:I神戸(29) 6位:ジェフL(28) 7位:ベガルタ(25) 8位:AS埼玉(17) 9位:伊賀FC(16) 10位:吉備国大(1)
日テレの寺谷真弓監督は「同じようなスタイルのサッカーをするチーム。お互い組み合ってどうなるのかが、楽しみ」と、最終節の対戦を心待ちにしていた。日テレは試合開始から主導権を握りかけたが、先制点を挙げたのはAS埼玉だった。9分、AS埼玉は日テレのCKをしのぐとカウンター攻撃に転じ、MF薊理絵が先制点を挙げる。 しかし、レギュラーシリーズ優勝を目指す日テレも反撃。40分、中央でMF原菜摘子からの縦パスを、この日リーグ通算150試合出場を飾ったMF阪口夢穂が冷静に決めて、1−1の同点に追いつく。 激しく攻守が入れ替わる両者の攻防は、後半さらに熱を帯びた。AS埼玉は「駆け引きで上回られても、ハードワークで対抗していく強さがここ数試合で出てきた」と松田岳夫監督が話すとおり、粘りに粘ってチャンスをうかがう。すると59分、右サイドからDF武田ありさがクロスを上げると、ゴール前でFW荒川恵理子がつぶれ役となり、こぼれ球を薊が押し込んで再びリードを奪った。 だが、優勝の懸かる日テレも、ここであきらめるわけにはいかない。67分、FW籾木結花のミドルシュートで同点とすると、75分にも籾木結花がゴールを決め、ついに3−2と逆転に成功。この時点で日テレは暫定首位に立った。 そのままタイムアップかと思われたが、アディショナルタイム2分の表示が出された直後、さらなるドラマが待っていた。90分、AS埼玉にPKが与えられると、MF伊藤香菜子がしっかりと決めて3-3。岡山では、ほんの数分前に湯郷ベルが勝利を挙げていたため、日テレは暫定2位に転落した。 この結果、日テレはレギュラーシリーズ2位以下が確定。AS埼玉は8位で同シリーズを終えた。両者の順位は大きく離れているが、直接対決で発揮した力量の差は、ほんのわずかだった。
ベガルタは序盤からロングボールで攻めるが、ジェフLのセンターバック千野晶子による的確な寄せに阻まれボールが収まらない。さらにこぼれ球をMF深澤里沙に拾われ、ペースはジェフLに傾く。すると17歳のMF安齋結花がドリブルから先制点を決め、ジェフLリードで前半を終えた。 「前半から守備陣がボールを弾き返し、しっかりつなぐこともできました」(三上尚子監督)というジェフLは、そのつなぐ意識により追加点を獲得。深澤、MF川村真理とつなぎ、最後は得点ランク2位のFW菅澤優衣香。「得点王を目指す」と公言するエースの一発で、上位リーグ進出に前進した。 最低でも2点が必要となったベガルタは攻撃的な選手を投入するが、パスの正確性を欠く。MF上辻佑実も攻撃に変化をつけられず、0ー2のままタイムアップ。この結果、ジェフLの上位リーグ進出が確定した。 ジェフLのキャプテンでDFの櫻本尚子は試合後、今季4戦全勝と相性のいいオリプリの観客に向け「優勝を目指します!」とエキサイティングシリーズ優勝宣言をすると、雨がやんだスタジアムは大歓声に包まれた。 一方、失意の表情でピッチを後にしたベガルタのGK齋田由貴は「0−2という結果が自分たちの実力と感じています」と敗北を受け入れ、「どこを目指すのかを統一し、みんなで話し合いなどをやっていきたいです」と、時折言葉を詰まらせつつ今後を見据えた。DF長船加奈も「下位リーグも楽な戦いはないと思います。まだまだ、やり遂げないといけないことがある」と、静かな決意を語った。
2999人の観客を集めた岡山ダービー。湯郷ベルが吉備国大に7−0で大勝した。湯郷ベルは勝ち点を36に伸ばし、暫定首位に浮上。順位の確定は、翌日に行われる浦和対I神戸の結果に持ち越された。 優勝の可能性を残したことについて問われたMF宮間あやは、「明日は(浦和対I神戸を)気にせず、普通にすごします」と落ち着いた表情で話し、種田佳織監督も「エキサイティングシリーズでまた1からスタートする。飛躍できるように、気持ちを切り替え、しっかり準備したい」と気を引き締めた。 試合は終始、湯郷ベルのペースで進んだ。序盤にDF細川元代からの縦パスに飛び出した宮間が、GKをかわして無人のゴールに叩き込んで先制すると、22分には相手のクリアを拾ったMF中野真奈美が左足で追加点。FW有町紗央里の得点もあり、前半で4−0と大差をつけた。 後半に入ると、60分に吉備国大DF野間文美加がペナルティエリア内で有町を倒してレッドカードを受け退場。1人少なくなった吉備国大に対し、湯郷ベルはさらに得点を重ね、合計7得点でレギュラーシリーズを締めくくった。 ハットトリックを達成した宮間は「チームとして7点取れたことは、よかった」と成果を口にしながらも、「もっといいプレーができたんじゃないかと、反省しています」と、内容をさらに高めようとする姿勢を強調した。宮間はさらに、エキサイティングシリーズへ向けて、「まだまだまだまだ、やりたいことがたくさんあります。足りないものを追求していきたい」とコメントした。“まだ”を4度繰り返した彼女の口ぶりから、どこまでもハングリーな宮間の性格が垣間見えた。 なお、湯郷ベルにとってこの試合は、今季2度目の無失点勝利となった。相手が時折繰り出すカウンターに対しては、必ず複数の選手で進路を塞いだ。GK福元美穂は「今日は失点ゼロで終わりたいと考えていたので、よかった」と振り返りつつ、キャプテンとして「エキサイティングシリーズではチームとして成長し、優勝を目標に頑張りたい。後悔しないように、日々、全力でやっていきたい」と、勝って兜の緒を締めた。
引き分け以上で優勝が決まる浦和は、序盤から積極的にボールを奪い、速攻からチャンスを作った。また、相手のカウンターに対しても、DF高畑志帆を中心に、落ち着いた対処でピンチを防ぐ。 浦和がペースをつかんだと思われた15分過ぎに、アクシデントが起きた。MF加藤千佳が接触プレーで左足を負傷。浦和は、終盤の切り札的存在であるFW大滝麻未を、早くも投入することとなった。選手が代わったことで、攻守のバランスなどでもう一度呼吸を合わせ直すことになった浦和だが、37分には相手DFラインの背後でビッグチャンスをつかんだ。I神戸のGK海堀あゆみはエリアを飛び出し捨て身の防御で難を逃れたが、FW吉良知夏のシュートに対しエリア外で手を伸ばす挙動を見せたことにより、どよめきが起こった。その後、浦和は流れをつかみきれず、ハーフタイムに突入した。 仕切り直しとなった後半も、両チームは激しい攻防を繰り広げ、見る者を引きつけた。そして52分、I神戸はMF中島依美のFKから、相手クリアのこぼれ球がFW増矢理花の足元に転がる。「目の前に相手がいなかったから、迷わず打った」(増矢)というシュートがゴールに突き刺さり、I神戸が先制点を挙げた。 追う展開となった浦和は55分、吉良に代えてFW清家貴子を投入。スピードを活かした攻撃に活路を求めたが、攻撃が単調になる場面も目立ち、最後までゴールを割ることができなかった。 結局、0−1で試合は終了。浦和は第14節の湯郷ベル戦に4−1と快勝して以来、4試合続けて得点を上げることができず、優勝を逃した。目の前にあった優勝をつかみ切れなかった浦和のキャプテン後藤三知(FW)は「今日も本当にたくさんの方に来ていただいたのに、ピッチで答えることができず、悔しいです」と、試合後のインタビューで涙を流したが、「ゴールを引き寄せるプレー、決定的なプレーが足りなかった。これが今の実力でもあるので、エキサイティングシリーズに向けてどれだけレベルアップできるかが大事です」と前を向いてコメントする頃には、涙の跡は渇いていた。 なお、試合後の記者会見で両監督は、ゲームの流れに大きく影響したレフェリーの判定を尊重するコメントを残した。そのうえで、記者からの質問に答える形で、個々の見解を次のように述べた。 「一番近くでプレーを見ていたレフェリーに従います。(敗因は)あくまでも、私たちの力が足りなかったから」(浦和・吉田靖監督) 「サッカーを発展させるために、大事なのは、このような判定等について時間をかけて検証することではないでしょうか」(I神戸・前田浩二監督) 両監督のコメントは、これからの女子サッカー界にとって貴重な提言となる。この機会を、審判への短絡的な批判ではなく、サッカーの技能の向上につなげることが、最も大事だ。
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順 | チーム | 勝点 | 得失 |
1 | 日テレ | 44 | +40 |
2 | INAC | 37 | +21 |
3 | AC長野 | 37 | +4 |
4 | 仙台L | 31 | +9 |
5 | 新潟L | 30 | +2 |
6 | 伊賀FC | 21 | -4 |
7 | ジェフ | 20 | -5 |
8 | 浦和L | 19 | -6 |
9 | 大阪高槻 | 11 | -33 |
10 | 湯郷ベル | 10 | -28 |
Group A | |||
順 | チーム | 勝点 | 得失 |
1 | 日テレ | 20 | +28 |
2 | ジェフ | 15 | +2 |
3 | INAC | 14 | +12 |
4 | 伊賀FC | 6 | -9 |
5 | 大阪高槻 | 3 | -33 |
Group B | |||
順 | チーム | 勝点 | 得失 |
1 | 仙台L | 17 | +7 |
2 | 浦和L | 13 | +4 |
3 | AC長野 | 13 | +2 |
4 | 新潟L | 10 | 0 |
5 | Belle | 2 | -13 |