This site Japanese only...

なでしこリーグに所属する岡山湯郷Belleの応援/情報サイトです


なでしこジャパン EAFF女子東アジアカップ 2015決勝大会HEADLINE


 開催期間:2015年8月1日〜9日



召集メンバー

GK
 1 18 21   
山根 恵里奈
ヤマネ エリナ
武仲 麗依
タケナカ レイ
山下 杏也加
ヤマシタ アヤカ
1990.12.20 1992.5.18 1995.9.29
187cm/79kg 170cm/67kg 170cm/60kg
ジェフ千葉L ベガルタ仙台L 日テレ・ベレーザ
DF
14 3 19 20
田中 明日菜
タナカ アスナ
北原 佳奈
キタハラ カナ
薊 理絵
アザミ リエ
高畑 志帆
コウハタ シホ
1988.4.23 1988.12.17 1989.1.11 1989.11.12
164cm/53kg 173cm/63kg 161cm/48kg 165cm/55kg
INAC神戸レオネッサ アルビレックス新潟L ASエルフェン埼玉 浦和レッズL
 5 4  
高良 亮子
タカラ リョウコ
村松 智子
ムラマツ トモコ
1990.4.9 1994.10.23
158cm/51kg 162cm/52kg
ベガルタ仙台L 日テレ・ベレーザ
MF
10 7 6  2
上尾野辺 めぐみ
カミオノベ メグミ
上辻 佑実
ウエツジ ユミ
川村 優理
カワムラ ユウリ
中島 依美
ナカジマ エミ
1986.3.15 1987.11.30 1989.5.17 1990.9.27
157cm/50kg 158cm/54kg 167cm/55kg 158cm/50kg
アルビレックス新潟L 日テレ・ベレーザ ベガルタ仙台L INAC神戸レオネッサ
22 23 16 13
杉田 亜未
スギタ アミ
柴田 華恵
シバタ ハナエ
横山 久美
ヨコヤマ クミ
京川 舞
キョウカワ マイ
1992.3.14 1992.7.27 1993.8.13 1993.12.28
155cm/47kg 155cm/47kg 155cm/52kg 162cm/52kg
伊賀FCくノ一 浦和レッズL AC長野パルセイロL INAC神戸レオネッサ
8 12
猶本 光
ナオモト ヒカル
増矢 理花
マスヤ リカ
1994.3.3 1995.9.14
158cm/53kg 160cm/53kg
浦和レッズL INAC神戸レオネッサ
FW
17 9 11 15
有町 紗央里
アリマチ サオリ
菅澤 優衣香
スガサワ ユイカ
高瀬 愛実
タカセ メグミ
田中 美南
タナカ ミナ
1988.7.12 1990.10.5 1990.11.10 1994.4.28
160cm/54kg 168cm/62kg 164cm/63kg 163cm/55kg
ベガルタ仙台L ジェフ千葉L INAC神戸レオネッサ 日テレ・ベレーザ


大会結果


順位 国名 勝点 得点 失点 得失点
1  北朝鮮 9 3 0 0 9 4 +5
2  韓国 6 2 0 1 3 3 0
3  なでしこJAPAN 3 1 0 2 5 6 -1
4  中国 0 0 0 3 2 6 -4


第1試合

北朝鮮戦:詳細

 なでしこジャパン 2-4 北朝鮮女子代表 
(前半0-1)
 
2015年08月01日 18:20 KickOff
Wuhan Sports Center Stadium
〜スターティングメンバー〜

 山根恵里奈
 北原佳奈、高良亮子、高畑志帆
 川村優理、上尾野辺めぐみ、増矢理花、京川舞
    杉田亜未
 菅澤優衣香、有町紗央里
〜控えメンバー〜

 武仲麗依、山下杏也加
 中島依美、村松智子、田中明日菜、薊理絵
 上辻佑実、猶本光、横山久美、柴田華恵
 高瀬愛実、田中美南
〜得点経過
 36分 北朝鮮
 49分 日本 増矢理花
 66分 北朝鮮
 70分 日本 杉田亜美
 79分 北朝鮮
 81分 北朝鮮
〜選手交代
 62分 京川舞→横山久美
 82分 高畑志帆→高瀬愛実
 90+3分 有町紗央里→猶本光
 〜マッチポレポート〜
EAFF女子東アジアカップ2015が中国の武漢で8月1日に開幕し、なでしこジャパンは大会初戦で前回優勝の朝鮮民主主義人民共和国に2-4で敗れ、黒星スタートとなりました。
初戦は昨年のアジア競技大会決勝の再演になりましたが、今回日本は若手を中心にMF川村優理選手(ベガルタ仙台レディース)、GK山根恵里奈選手(ジェフユナイテッド市原・千葉レディース)、MF上尾野辺めぐみ選手(アルビレックス新潟レディース)らFIFA女子ワールドカップ カナダ2015のメンバーを加えた先発で臨みましたが、中盤でボールを失って攻め込まれる場面が続き、苦しい展開になりました。

朝鮮民主主義人民共和国はボールを奪うとテンポ良くつないで日本のゴールに迫ります。22分にはペナルティエリアでFWラ・ウンシム選手を日本選手が倒してPKを与えますが、GK山根選手がこれを止めて、失点の危機を逃れました。
佐々木則夫監督は上尾野辺選手とMF杉田亜末選手(伊賀フットボールくノ一)のポジションを入れ替えて、中盤の構成変更で対応を試みますが、36分、ゴール前でFKに合わせたMFリ・エギョン選手に先制を許してしまいます。
日本はさらに選手のポジションを入れ替えてDF高良亮子選手(ベガルタ仙台レディース)を左MFに配すと、42分に高良選手の好クロスにFW有町紗央里選手(ベガルタ仙台レディース)が頭で合わせて、相手ゴールを脅かす場面が生まれました。
前半を0-1で折り返すと、後半開始からはMF京川舞選手(INAC神戸レオネッサ)を左MFへ上げて反撃に出ます。そして49分、FKにゴール前ファーサイドに入ったMF増矢理花選手(INAC神戸レオネッサ)が決めて同点にしました。
日本はその後も落ち着いたプレーで徐々に攻撃のペースを掴み、62分には京川選手に代えて横山久美選手(AC長野パルセイロ・レディース)を送り出して、追加点を狙います。

しかし、66分にラ・ウンシム選手に右サイドから切り込まれ、ゴール前のリ・エギョン選手に繋がれて再び失点を許します。
日本は70分に杉田選手が豪快なミドルシュートを決めて同点に追いつきましたが、その後は相手に日本のサイドバックの裏のスペースを使われて、攻め込まれる場面が続きます。79分、81分には、ラ・ウンシム選手にペナルティエリアで守備陣が翻弄されて立て続けに失点。2点を追いかける形になりました。
その直後、佐々木監督は高畑選手に代えてFWP愛実選手(INAC神戸レオネッサ)を投入して反撃を試みます。
後半アディショナルタイムには、横山選手がドリブルで相手ペナルティエリアへ切り込みシュートを放ちましたが、得点はなりませんでした。
なお、第2試合では韓国が中国に1-0の勝利を収め、初日を終えて朝鮮民主主義人民共和国と韓国が勝ち点で並び、得失点差で朝鮮民主主義人民共和国が首位。韓国2位、中国3位で日本は4位発進になりました。
日本は4日に韓国、8日に中国と対戦します。

 〜試合後のコメント〜

佐々木則夫 なでしこジャパン(日本女子代表)監督
選手たちはやろうとしていることに非常に前向きに取り組んでくれましたが、勝負どころで朝鮮民主主義人民共和国が勝って最後に点を獲られてしまいました。相手にカウンターをさせないように気を付けていたのですが、ボールの獲られ方が悪く、そういう相手の得意な形を終盤特にやらせてしまいました。勝負どころでやってはいけない形などを感じとれない部分で、対応が1〜2テンポ遅くなってしまいました。守備のシステム変更や交代など他にも対応の選択肢があったと思いますし、結果が出なかったのは私の責任です。選手たちは現状の中でうまく戦ってくれたと思います。今日の試合でできたこと、勝負どころでできなかったことを反省して次につなげていきたいですし、気を引き締めて、個とチームが成長できるようにしたいと思います。
MF #6 川村優理 選手(ベガルタ仙台レディース)
相手はボールを奪って10番や12番のカウンターで攻めるのが狙いだったと思います。プレーしていて相手はそれほど怖くはなかったのですが、自分たちのボールの獲られ方が悪くて相手のカウンターが活きてしまいました。獲られ方や攻めている時のリスクマネジメントなど、もっと細かい部分を修正していかなければ、こういう戦いでは勝敗を分けてしまいます。まだまだ自分たちが成長しなければいけない部分が出ていたと思います。
GK #1 山根恵里奈 選手(ジェフユナイテッド市原・千葉レディース)
PKを止めても結果的に4点獲られたので、自分は、今日は何もできなかったと思います。カウンターを警戒してラインを下げ過ぎてしまい、人は足りているのにボールに対してアプローチできずにゴール前に運ばれた印象です。もう一度みんなで話をして、次の2試合はボールに行くところやカウンターの対応を上手く連係しながらやりたいと思います。
DF #3 北原佳奈 選手(アルビレックス新潟レディース)
得点を取りにいくなかで、ボランチを一枚残すべきところで前がかりになってしまうなど、後ろのリスクマネジメントが足りませんでした。ただ、あまり準備期間がない中で難しい戦いになるのではと予想していましたが、その点では少ないトレーニングでも自分たちが出来ることには取り組めたと感じています。
MF #22 杉田亜未 選手(伊賀フットボールクラブくノ一)
(得点場面は)思い切って蹴ろうとして、蹴った瞬間に「入るかも」という感覚がありましたが、あれほどきれいに決まるとは思いませんでした。代表初ゴールを決められたことは嬉しいですが、2-4で負けて課題が見つかりました。修正していきたいですし、ドリブルなど自分の良いところをどんどん出して、シュートも意識していきたいと思います。
キム・クォンミン 朝鮮民主主義人民共和国女子代表監督
初戦の上、かなり暑い中での試合で非常に難しかったですが、4-2で勝つことができました。日本はFIFA女子ワールドカップ カナダ2015で決勝に行った世界でもトップチームです。初戦で日本に勝てたことは自信になります。





第2試合

韓国戦:詳細

 なでしこジャパン 1-2 韓国女子代表 
 (前半0-1)
 
2015年08月04日 18:20 KickOff 
Wuhan Sports Center Stadium
〜スターティングメンバー〜

 山下杏也加
 中島依美、村松智子、田中明日菜、薊理絵
 上辻佑実、猶本光、京川舞、柴田華恵
 田中美南、有町紗央里
〜控えメンバー〜

 山根絵里奈、武仲麗衣
 北原佳奈、高良亮子、高畑志帆
 川村優理、上尾野辺めぐみ、増矢理花、横山久美
 菅澤優衣香、高瀬愛実
〜得点経過
 30分 日本 中島依美
 54分 韓国
 90+3分 韓国
〜選手交代
 63分 上辻佑実→川村優理
 72分 薊理絵→菅澤優衣香
 81分 有町紗央里→横山久美
〜マッチポレポート〜
なでしこジャパンは8月4日、中国の武漢で行われているEAFF女子東アジアカップの第2戦で韓国と対戦し、1-2の逆転負けを許して2連敗となり、最終戦(8日、対中国)を残して2大会ぶりの優勝はなくなりました。
初戦の朝鮮民主主義人民共和国戦で敗れた日本は、この日が代表戦デビューとなったGK山下杏也加選手、DF村松智子選手(ともに日テレ・ベレーザ)、MF柴田華絵選手(浦和レッズレディース)の3人を含め、初戦から9人を入れ替えた先発で臨みました。
一方の韓国は、先発のうち10人がFIFA女子ワールドカップ カナダ2015の経験者という布陣で、日本は守備のブロックを作って相手のパスコースを消して対応し、攻撃では右MFの柴田選手や右サイドバックの京川舞選手、左MFの中島依美選手(ともにINAC神戸レオネッサ)らが積極的に動いて好機を作ろうと試みます。
18分にはMF猶本光選手(浦和レッズレディース)が中盤を攻め上がってミドルシュートを狙い、25分には猶本選手からのスルーパスを受けたFW有町紗央里選手(ベガルタ仙台レディース)が、ペナルティエリアに切り込んで相手ゴールを脅かします。
先制点は30分でした。中島選手の左CKから粘り強くつないで中島選手のクロスに猶本選手がシュート。これは相手DFに跳ね返されますが、こぼれ球に再び中島選手が反応し、右足を振り抜いてゴールネットを揺らしました。
しかし、ボールを失う場面も多く、弱いパスや危ない自陣ペナルティエリア付近でのクリアボールが短いなどもあり、相手にボールを拾われて攻め込まれる場面が見られるようになります。40分には中盤でのインターセプトから最後はMFイ・ミンア選手にシュートを打たれます。
後半早々の韓国の同点弾も同じような形でした。54分、中盤での不用意なパスをカットされ、チェ・ソヒョン選手にドリブルで攻め込まれてシュートを打たれ、これがゴール右隅に決まりました。
日本は中盤を落ち着かせるべく、63分にMF上辻佑実選手(日テレ・ベレーザ)に代えてMF川村優理選手(ベガルタ仙台レディース)を投入します。川村選手は前線へパスを出して仕掛け、72分には自身でミドルシュートを狙い、チームの攻撃にリズムが出ます。
74分には柴田選手と京川選手のコンビネーションから、ゴール前に顔を出した柴田選手へ折り返しのパスが出ますが、柴田選手はシュートまで至らずに好機を逃しました。さらにその2分後には、攻め上がった京川選手がミドルシュートを狙いましたが、枠を捉えることは出来ませんでした。
81分には、72分のFW菅澤優衣香選手(ジェフユナイテッド市原・千葉レディース)に続いてMF横山久美選手(AC長野パルセイロ・レディース)をピッチへ送り出します。
決勝点は後半アディショナルタイム3分でした。相手左サイドでFKを与え、これを交代出場のMFチョン・ガウル選手が直接決めて、韓国が勝利を手にしました。
この結果、韓国は2連勝で、もうひとつの試合で中国に3-2で競り勝った朝鮮民主主義人民共和国とともに勝ち点6で並んでいます。日本と中国は2連敗で、8日の最終戦で日本対中国が3位を、韓国対朝鮮民主主義人民共和国が優勝をかけての対戦となりました。

〜試合後のコメント〜

佐々木則夫 なでしこジャパン(日本女子代表)監督
若手の選手に経験を積ませながらタイトルを獲るのが目標でしたが、今日結果が出ずに優勝の可能性が断たれてしまいました。選手はメンバーが変わっても初戦の反省を受けてやろうしたのですが、まだ個々に甘さがありました。チャンスがあっても決めきれず、逆に相手は決めました。選手には勝負どころの厳しさを学んでほしいと思います。このチームの中でもうワンランク上げて、最終戦では選手たちに勝利を味あわせたいと思っています。
MF #2   中島依美 選手(INAC神戸レオネッサ)
得点はしましたが課題もありました。裏を狙うとか足元とかもう少しメリハリをつけたかったですし、ボールを獲られる回数が多くありました。まだまだレベルを上げないと、世界には通用しません。あと3日あるのでみんなで修正したいと思います。
MF #23   柴田華絵 選手(浦和レッズレディース)
前半は相手が勢いよく前から来て、ボールを落ち着かせるのが少し難しいところがありましたが、後半はスタートから少しボールを回せたので、そこでチャンスを作って2-0にできていれば、結果は違ったのではと感じています。最後は単純なミスが少し多く出てしまいました。チームとしても個人としてもそこを減らせばチームが楽になりますし、チャンスも増やせると思います。
DF #4   村松智子 選手(日テレ・ベレーザ)
不用意な失点をしたりして、自分たちからリズムを崩したと思います。後半は攻撃の時間を増やせて、多少できた部分はありますが、カウンターに注意と分かっていたのに失点してしまいました。自分の持ち味を出せなかったので、まだまだやらないといけないと感じました。
GK #21   山下杏也加 選手(日テレ・ベレーザ)
試合を落として悔しいです。ミーティングで「リスク管理をしっかり」という話は出ていて、分かっていたのに対応できませんでした。コーチングなど最後のところでGKの底力をみせられなかったので残念です。
FW #15   田中美南 選手(日テレ・ベレーザ)
前半からチームのボールの失い方が悪くてカウンターになっていたので、消極的になっていたのは、もったいなかったです。ボールロストを減らして安全にやるところはきちんと起点になることと、仕掛けやシュートをもっと増やしていきたいと思います。
ユン・ドクヨ 韓国女子代表 監督
日本戦では精神面でしっかり準備をし、試合でいかに集中できるかが重要でしたが、選手たちはとても良く対応できたと思います。前半やられていたので、交代とシステム変更でチョ・ソヒョン選手を守備に集中させて、他の選手が攻撃に専念できるようにして、チョン・ガユル選手なら追加点が奪えると期待して交代で入れました。






第3試合

中国戦:詳細

 なでしこジャパン 2-0 中国女子代表 
 (前半0-0)
 
2015年08月08日 20:10 KickOff 
Wuhan Sports Center Stadium
〜スターティングメンバー〜

  山下杏也加
  村松智子、高良亮子、田中明日菜、中島依美
  京川舞、川村優理、杉田亜美
  有町紗央里、高瀬愛実、田中美南
〜控えメンバー〜

  山根絵里奈、武仲麗衣
  北原佳奈、薊理絵、高畑志帆
  上辻佑実、猶本光、上尾野辺めぐみ、増矢理花、
     横山久美、柴田華恵
  菅澤優衣香
〜得点経過
 88分 日本 横山久美
 90+1分 日本 杉田亜美
〜選手交代
 46分 高瀬愛実→菅澤優衣香
 66分 有町紗央里→増矢理花
 83分 田中美南→横山久美
〜マッチポレポート〜
なでしこジャパンは8月8日、中国の武漢で行われているEAFF女子東アジアカップ最終戦で中国に2-0の勝利を収め、初の白星を得て3位で大会を終えました。
88分に交代出場のFW横山久美選手(AC長野パルセイロ・レディース)が均衡を破り、後半アディショナルタイム3分にMF杉田亜未選手(伊賀フットボールクラブくノ一)が今大会自身2得点目で追加点を奪いました。
両チームともに2敗して迎えた一戦で、得失点差で劣る日本は3位になるには勝つしかありません。第2戦の先発から3人を入れ替えて、DF高良亮子選手を左サイドバック、MF川村優理選手(ともにベガルタ仙台レディース)をボランチ、FWP愛実選手(INAC神戸レオネッサ)を2トップの一角に起用。日本は中3日の準備で前2試合よりも全体に動きが良く、開始早々から相手にプレッシャーをかけて、積極的に攻める姿勢を前面に出します。

引分けでも3位に入る中国は、4-4-2の陣形でブロックを作って対応。パスカットから手数をかけずにクロスを入れて、WANG Shanshan選手、WANG Shuang選手の2トップに合わせようとします。
日本の最初のビッグチャンスは26分。P選手のパスに2トップを組んだFW田中美南選手(日テレ・ベレーザ)が相手と競り合ってFKを獲得。そのFKから杉田選手が直接ゴールを狙うと、GKに弾かれてポストを叩きます。
その後、日本は30分過ぎから中盤でボールを失う場面が増えて、中国にショートカウンターで攻め込まれる場面が続きますが、GKを含めて守備陣が相手に体を寄せて対応します。
後半、佐々木則夫監督はP選手に代えてFW菅澤優衣香選手(ジェフユナイテッド市原・千葉レディース)を投入。さらに、右サイドで好プレーを見せていたMF中島依美選手(INAC神戸レオネッサ)をボランチに下げて杉田選手を左MFに移すと、中盤の展開が良くなります。
53分には中島選手、杉田選手が次々とシュートを放ち、60分には攻め上がった京川選手が右足で狙います。その1分後には川村選手が右クロスに頭で合わせますが、ポストに阻まれました。
日本は66分のMF増矢理花選手(INAC神戸レオネッサ)の交代投入に続いて、83分に横山選手をピッチに送り出します。するとその1分後、右サイドバックから攻め上がった京川舞選手(INAC神戸レオネッサ)のパスに横山選手がシュート。そのリバウンドに反応した菅澤選手が相手ゴールを脅かします。
そして88分、中島選手からのパスに横山選手がペナルティエリアに切り込んで右足を振り抜き、均衡を破ります。さらに、後半アディショナルタイムには、ドリブルで攻め込んだ菅澤選手から杉田選手にパス。これをフリーで受けた杉田選手が冷静にゴール右隅へ蹴り込んで、試合を決めました。
この日の第1試合では、朝鮮民主主義人共和国が韓国に2-0で勝利し、3連勝で優勝しました。韓国は2勝1敗勝ち点6で2位。勝ち点3を手にした日本は1勝1分け1敗の3位、中国は3戦全敗で4位でした。

〜試合後のコメント〜

佐々木則夫  なでしこジャパン(日本女子代表)監督
選手たちが最後まで諦めず、勝利への強い気持ちを出したことで最後にボールをゴールまで運べました。ハーフタイムには「引き分けでは最下位だぞ」と伝えていましたが、経験の少ない選手たちが、なでしこジャパンのコンセプトをもとに良くやってくれました。各選手がこれを今後にどう生かすかが重要です。選手たちは1戦ごとに成長したので、なでしこリーグでも、もっとパワーアップして取り組んでほしいです。今大会をもとに各チームは五輪予選へお互いを分析すると思いますが、日本もアジア最終予選の開催国としてしっかり準備して、五輪出場権は絶対に獲得したいです。
GK #21   山下杏也加 選手(日テレ・ベレーザ)
キックの精度や状況判断がまだまだだと感じましたが、相手のクロスへの対応を意識して臨んで、最後の方はチャレンジもできました。最終ラインが前の試合とほぼ同じだったのでやりやすかったです。出場したことに満足せず、韓国戦の2失点をゼロにできるように、コーチングの質などをもっと上げていきたいです。
MF #22   杉田亜未 選手(伊賀フットボールくノ一)
全体的な味方同士の距離など、まだまだ課題はあると思いますが、守備ではゼロで押さえたことと、球際で厳しく行くことは修正できたのではないかと思います。得点は菅澤選手が粘ってくれたおかげですが、そこで決められたことを自信にしていきたいと思います。
FW #9   菅澤優衣香 選手(ジェフユナイテッド市原・千葉レディース)
(2点目は)自分がシュートに行こうと思ったのですが、川村選手と杉田選手が来るのが分かって、杉田選手の方がシュート角度がいいと考えてボールを渡しました。自分がボールを持った時に前を向くことはできたと思います。チームで勝とうと決めて、それを実現できたことは自分たちの自信になります。課題も多く出たので、修正しながら所属クラブでやっていければと思います。
MF #13   京川舞 選手(INAC神戸レオネッサ)
勝負どころの重要性は佐々木監督からも言われましたし、セットプレーやラストのファウルなど、ちょっとしたところで全員が把握してなかったり集中が切れたりしたので、そういう部分も意識して取り組んでいきたいです。本来の左MFでできなかった悔しさはありますが、守備は嫌いではないですし、アシストも好きなので、サイドバックにもやりがいはすごく感じます。
MF #16   横山久美 選手(AC長野パルセイロ・レディース)
韓国戦2失点目は自分のせいだったので、監督には「そのミスを取り返して来い」と言われていました。最後のチャンスだと思っていたので、結果を残せてよかったです。中島選手から良いタイミングでボールが出て、決めるだけでした。またゴールを取れるように頑張りたいですし、3試合にスタートから出られなかったので、その分の体力や知識を学ばないといけないと思います。
HAO Wei  中国女子代表監督
選手たちは今大会ベストを尽くして戦ってくれて、彼女たちのプレーに満足していますし、感謝しています。3連敗でしたが、良いトレーニングなくして結果は出ません。フィジカルと戦術面で問題が出て、若手選手は経験のなさも影響しました。